3000年に渡る古代ペルーの歴史を辿る展覧会が、トロカデロのシャイヨー宮にある建築遺産博物館で開催中。約200点もの貴重な作品の中には、今までペルーを離れたことがない宝物もあり、連日、大変な人気を呼んでいます。
マチュ・ピチュは15世紀に最盛期を迎えたインカ帝国の遺跡で、アンデス山脈の標高2430mの高い位置にあります。1533年、スペイン人に征服され、インカ帝国は滅びますが、それ以前にアンデス文明が栄えていました。ところが、アンデス文明には文字がなかったために、文献が何も残っていない。そのために、残念ながら詳しいことはわからず、マチュ・ピチュの多くのことは深いミステリーに包まれています。
多くの謎を抱えるマチュ・ビチュの写真と説明。 |
現在分かっているのは、マチュ・ピチュの遺跡が高い位置にあることから、帝国の王侯貴族が夏の暑さから逃れるための避暑地で、そのための住まいがあったとか、太陽神にささげる神殿があった、など。
かつて栄えていたインカ帝国は、建築や金銀細工が優れていたようで、今回の展覧会でそれをじっくりと鑑賞できます。
インカ帝国の支配者は、 亡き後も豪華な金銀の装飾で身を飾っていたようです。 |
ターバンを飾る力強い装飾は、 南米に多く生息する動物の王者ジャガーと、 地上の権力を表していて、権力者の象徴とされている。 |
優美なシルバーの容器。 周囲にはミトロジーが彫り込まれている。 繊細な職人技は驚異的。 |
表現豊かなミトロジーのモチーフが魅力的な器。 |
「キープ」と呼ばれる、数を記録するオブジェ。 主に食料の貯蔵量を記録するために、紐に結び目をつけていたとされているが、 最近の研究では、情報伝達や記録も語っているのではないかと見られている。 |
発掘された神殿の小さい模型も展示されている。 太陽を崇めるインカ国王では、神殿はピラミッド型で、 階段の外側は誰でものぼれるが、中に入れるのは神官、政治家、高位の人のみ。 |
いろいろと学びが多い展覧会です。
2022年9月4日まで開催。
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