2023年5月12日

チャールズ3世戴冠式に熱狂したフランス

 5月6日のイギリス国王戴冠式の日、フランス人のイギリス王家に対する熱狂ぶりにまたまた驚きました。

テレビでの実況中継は、朝9時から午後3時半まで休むことなく続き、その間、司会のジャーナリストもゲストも、まったく疲れを見せることなく話し続けていたのです。ロンドンの複数の特派員による沿道に並ぶ人のインタヴューやショップの中継などの間に、コーヒーを飲んでいたとしても、すごいバイタリティ。長い式の間には、軽くランチもいただけたかしらと、それも気になって、気になって。

いつもながら、ゲストは自分の知識を披露したくて仕方なく、意見や解説が重なり合って聞きにくいことも度々。今は雑誌が競って特集を組んでいます。

国のために生涯奉仕すると宣誓した、優しい表情の国王。
雑誌は大特集し、しかも発売日を繰り上げる熱心さ。

イギリス王家の先祖は、フランスのノルマンディー公。1066年に血気盛んなノルマンディー公がイングランドを征服し、ウィリアム1世として即位したので、特別の愛着があるのでしょう。エリザベス2世はフランスが好きで、公式訪問をした外国はフランスがもっと多く、フランス語も流暢。チャールズ3世もフランス語をしっかり学びましたが、ウィリアム皇太子はその伝統を引き継いでいないとのこと。時代の変化を感じます。

私がもっとも興味を抱いているのは、チャールズ皇太子がカミラと結婚するまでの34年間、愛し続けたこと。お互いに結婚し子供がいるにもかかわらず、変わらぬ愛を注いでいたこと。カミラは、何という人生を歩んでいる女性でしょう。若い時代は窮屈な宮廷生活などイヤだと、23歳の皇太子のプロポーズを振り切って、貴族で軍人の男性と結婚し、二人の子供をもうけ、裕福で自由な生活を送っていたのです。その間も皇太子の愛を一身に受け続け、落ち着いた年齢に達したときに王妃になるなど、夢物語としか言いようがない。現実の出来事だとは、とても思えない。

2009年、カナダを訪問したお二人。

2019年、ロンドンでのレセプションに出席したエレガントな皇太子ご夫妻。

このような人生を送る女性は、おそらく今後もあらわれないと思う。カミラはよほど魅力的な女性なのでしょう。

カミラがチャールズ皇太子と結婚する前に、パリでのレセプションでお見かけしたことがありますが、背はさほど高くなく、ほっそりしていて、笑顔が飛び切りチャーミングで、オーラが放たれているのに圧倒されたのを覚えています。これでは皇太子が諦めきれないハズね、内面が輝いているから、あのような魅力を備えているのにちがいないわ、と友人とうっとりしながら話し合ったほどでした。

気取りがなく自然体のカミラ王妃は、今後、イギリス国民だけでなく、世界の人たちから親しまれることでしょう。それにしても彼女の顔が、30年以上前からあまり変わっていないのは、どうして? ヘアスタイルもほとんど同じ。やはり格別な女性なのですね。