2023年5月8日

オペラ座 修復工事開始

 1875年、シャルル・ガルニエによって建築されたパリのオペラ座の修復工事が始まり、いつもと異なる姿を見せています。工事は2024年初頭まで続くそうで、もちろん、この年に開催されるオリンピックを意識しての修復。

1923年に歴史的建造物に認定されたオペラ座は、多くのツーリストに愛される豪奢なモニュメント。何度か修復が行われたのですが、外観の汚れやひび割れをなおす必要があるとのこと。

素晴らしいのは、工事中でも美観を損なわないように工夫をしていること。通常、見苦しい足場も、まるでアート作品のように整然とした美しさを見せているし、両サイドの大きな目隠しのパネルも、見とれるほど華麗。エントランスにも横長のパネルが設置され、工事中とはいえ、このままでもいいほどパリの街並みに溶け込んでいるのです。

オペラ座の正面が工事中でも左横の入り口から中に入れるので、ネオバロック様式のゴージャスな階段も、数多くの彫刻、美しい天井画、煌めくシャンデリアも思う存分味わえます。

修復工事用の足場が組まれたオペラ座。
整然とした足場が見とれるほどキレイ。

数日後に様子を見に行ったら、両サイドに大きなパネルを貼り、
従来のオペラ座を部分的とはいえ見せていて、またまた見とれてしまう。
さすが、街の美観に特別に気を使うパリと感服。


中央にもパネルを貼ったにちがいないと、また数日後に行くと、
ナント、シャネルの大きな広告。
これは一時的で、この後、他のメゾンの広告に数回変わるそう。
オペラ通りの突き当りにあるからすごく目立つ。
広告料は莫大なはず。それは修復費用の一部になるのでしょう。

側面もおろそかにしていないのが立派。
左は実物の建物で、右がパネル。違いに気がつかないほど調和している。

そういえば、マドレーヌ教会が修復中だった時にも、同じように、ディオールやシャネル、グッチなど大手の広告が正面を飾っていた。それも絵になっていて違和感を感じなかったから不思議。何でも美しく見えるのは、パリに魔法の力があるからなのかも。

コロナ以前はバレー鑑賞だけでなく、タキシードとロングドレス着用のガラ・ディナーもあり、社交場にもなっていたオペラ座。一日も早く、パリならではの、あの典雅な時を取り戻してほしい。

何年か前にガラ・ディナーに招待されたときの写真。
現実とは思えないほど華やかでした。
あのときの高揚感をいつかまた味わいたい。