ミシア、ボナール作 |
その女性は卓越したピアニストでした。
その女性は幅広い人脈と破格の財に恵まれていたために、多くの芸術家のメセナとして支援を惜しみませんでした。
その女性は愛され、あがめられ、
社交界の女王と呼ばれていました。
その女性を取り囲んでいたのは、まばゆいばかりに輝かしい人ばかり、ピカソ、コクトー、ルノワール、ロートレック、ストラヴィンスキー・・・
デザイナーとして活躍を始めたココ・シャネルは、そうした稀有な女性ミシア・セールに強い憧れをいだき、いつの日か自分もミシアのようになりたいと思っていたのです。
もしもシャネルがミシアに出会わなかったら、彼女は今日まで語り続けられるフランスを代表する女性にならなかったと思われるほど、ミシアのシャネルへの影響は強かったのです。
ミシア、ロートレック作 |
名な人物との交流を持てるようになったのもミシアのお陰。
ふたりの女性は30年間という長い間友情を持ちましたが、どちらも激しい気性で、時にはライバルになったりで、お互いに心底からの信頼を持つことはなかったようです。
ポーランドの彫刻家とベルギー人母の間に生まれたミシアは、フランツ・リストなど著名人と交際があったベルギーに住む祖母に育てられ、
10才になったころにパリの聖心修道院の寄宿生になったと
記録は語っています。
「ミシア、パリの女王」
オルセイ美術館
2012年9月9日まで