2014年8月26日

70年前の8月25日、パリ解放

パリ解放に湧くシャンゼリゼ

第二次世界大戦のさいに、戦いを失ったフランスの大部分はドイツ支配下にありました。
それは、フランス人が今まで味わったことのない屈辱でした。自尊心が強いフランス人がそれに耐えられるわけがない。

そうした中でロンドンに一早く渡り、BBC放送を通してフランス人にレジスタンスを呼びかけたのがシャルル・ドゴール。
彼の呼びかけに愛国心をかきたてられた多くのフランス人が、レジスタンスを結成。

1940年7月23日に
ナチス・ドイツ占領下の
パリを訪問したヒトラー
彼らの勇気ある激しい抵抗運動と
連合軍の大きな援助で、
ノルマンディー地方の町を次々とドイツ支配から解放。
その後パリに進軍し、首都が自由になったのが
1944年8月25日。
今年で70年です。

ドイツ軍がパリから撤退するさいには、パリを爆弾で破壊すべしとの命令が、ヒトラーから司令官フォン・コルティッツに出されていました。

実際に彼の命令のもとに、エッフェル塔や凱旋門、
ルーヴル美術館、橋などに爆弾が仕掛けられました。が、土壇場でフォン・コルティッツが爆破命令を取りやめ、そのためにパリが歴史ある建造物をいまだに保っているのです。


偉大な画家になることを目指したこともあるヒトラーは、パリを訪問したときには、整然とした美しい街並みに非常に感激したと資料が伝えています。

ナポレオンが眠るアンヴァリッドを訪れたときは、帽子を脱いで参拝したばかりでなく、ウィーンに葬られていたナポレオンの息子の遺骸を、父の側に移す命令まで出したヒトラー。それは彼がパリ訪問したのと同じ年の12月15日に実現。ヒトラーはナポレオンを崇拝していたようです。

そうしたヒトラーが何ゆえにパリ爆発を命じたのか、説は千差万別ですが、司令官の賢明で勇敢な判断のお陰で、パリが世界でもっとも美しい都市の景観を保っていることは幸いです。

パリ解放70周年記念の祭典は、市長舎前で行なわれました。オランド大統領、イダルゴパリ市長の挨拶、市長舎の建物に映し出される大戦の歴史、思い出。その後は朝方までダンス。雨にもかかわらず悦びが飛び跳ねる祭典でした。随所にある犠牲者への記念碑の献花もひときわキレイ。

来年はスランス全土に平和が戻った終戦70周年の年。すでに準備に入っているフランス。期待に心が騒ぎます。

2014年8月24日

パリの犬たち 10

陽だまりの中でお仕事です。
カフェでのお仕事はとってもいい気持ち。
どんどん進みます。
あっ、でも気をつけて。
2行目のところまちがっている。
ちゃんと直してね、気になるワン。

2014年8月23日

ヴァンドーム広場の円柱はいずこに?


高級宝飾店が居並ぶヴァンドーム広場には、
頂上にナポレオンが誇らしげに君臨する青銅の円柱があります。

工事中のヴァンドーム広場の円柱。
パネルが円柱の歴史を語ります。

リの名所のひとつになっているその円柱が、
すっかり姿を隠しています。
周囲を鉄骨が囲んでいるからです。

工事の足場なのですが、それが、まるで、芸術作品のように見えて、ほんとうに素晴らしい。あまりにもキレイなので、それに見とれたり、写真を撮ったりの人が多いこと多いこと。私もそのひとり。


アートの香りが漂っています。
足元には、円柱が辿ってきた歴史を語る
写真やデッサンのパネルが並んでいるので
円柱の稀有な歴史も学べます。

世界でもっとも美しい街にふさわしい、何という素晴らしい配慮。工事現場でさえも、美感をおろそかにしないパリジャンの心がけは、やはり賞賛に値します。

今しか見られない貴重な姿。
それにしても、キレ~イ!!

2014年8月20日

マロニエの実が秋の気配を告げます

生まれたばかりの
初々しいマロニエの実。

まだ8月が終わっていないというのに、
マロニエの実がたくさんなっています。

秋がすぐそこに来ている印。
季節感があっていい。

時折そよ風が吹いて葉がゆらゆらと動くと、
それに連れて実も動く。

大きな風だと葉はサラサラと音を出す。
そしてマロニエの実は、
ブランコしているように大きく揺れる。

今、マロニエは大スター。とってもいい季節。
緑が一段と輝いています。

2014年8月19日

パリの犬たち 9

夏、だから・・・・
すすしいタンクトップでご機嫌だワン。
それなのにワタシはバッチリ着せられている
ねぇ どうしてどうして?

2014年8月18日

動物王国ケニア 5

果てしなく続くサバンナ

感激や、刺激や、ときには恐怖など、数日間かけていろいろと経験したサファリを終えた後は、首都ナイロビに戻る。そこでランチをいただいて、保養地モンバサに向うのです。ところが、レストランで何を食べるのか、ガイドさんはちっとも教えてくれない。何か秘密があるらしい。ニコニコといかにも嬉しそう。

「一体何が出てくるのかしらね。飛び切り美味しいフレンチかも」
などと言いながら、皆、レストランへ。大きなテーブルを囲んで座ると、まずしっかり冷えた飲み物。

それに続いてお肉が出てくる。まずは鶏肉。炭火で焼いてあってとても美味しい。問題はそれ以降のお肉。鹿がでてくるし、その次はシマウマ。それだけで終わらず今度はワニ。もちろん、食べたくなければ食べなくていい。つい昨日まで、広々したサバンナで幸せそうに暮していた彼らの姿を思い浮かべてとても口にする気になれない。

でも、向学のためにと覚悟してシマウマの肉を一口食べてみる。ガムのようにちっとも引きちぎれない。ワニを食べた同行者はガムどころかゴムの味だと言っていました。私たちが今、日常食べているお肉を選ぶまで、先祖たちはずいぶんと苦労したのに違いない、犠牲者もたくさん出たに違いないなどと余計なことを考えて、ちっとも食欲がわかない。幸い美味しいパンがあってよかった。

インド洋に面したモンバサの浜辺。
白く細かい砂、淡い色の海。
さんご礁が沖にあるので波が立たない。

モンバサのホテル
久しぶりの西洋の香り

ランチの後は飛行機でインド洋に面したモンバサに。色あざかなブーゲンビリエが咲き乱れる近代的なホテル。今まではシャワーだけだったのにバスタブもある。タオルもフカフカしている。英字新聞も毎日入れてくれる。2階ではビリヤードを楽しむ子供たちの笑い声が響く。夕方には3階にあるバーでライブ。イギリス人が多くキングスイングリッシュがあちこちから聞こえる。何とインテリな発音であることよ。

英語が飛び交い、やしの木が茂り、ブーゲンビリエが美しい姿を見せ、音楽があり、ビリヤードがあり、白いユニフォームのケニア人が笑顔でサーヴィスする。まるでイギリスの植民地時代を生きているよう。


イギリス人はきっとケニアが一番すきなのに違いない。
そういえば、ジョージ6世が逝去されたとき、後継者のエリザベスはケニアに滞在していたし、ウイリアム王子がキャサリンにプロポーズしたのもケニアだった。

忘れえぬ国ケニア。
またいつの日にか。

2014年8月17日

動物王国ケニア 4

迫力満点のバッファローの大軍
可愛い動物も多いけれど、危ないのもたくさいます。怖かったのはバッファローが何十頭も集団で車に向ってきたとき。何でも突き破りそうな迫力ある角をふたつも持っているバッファローが、目をキラキラさせながらこちらを見ていると、私たちに跳びかかるかも知れないと、思わず視線をはずしたほど。

そういえば、目立つことはしないほうがいい、目立つ服装もしないほうがいい、動物たちを刺激するからと、パリを出発する前に注意があった。
王者の貫禄満点のライオン。

いくらベテランのガイドさんがいても、大挙して車を襲ったらひっくり返されるかもしれない、などと思ったら、早くその場から離れたくなるばかり。幸い何事もなかったからいいものの、目立たないように座席に深く座り、ひたすら顔を見せないようにしていた私でした。

車など無視してわが道を行くライオン。
やはり存在感があります。
危険に立ち向かう修業はまだ続きます。今度はライオン。彼らが寝そべっているのを近くで見ながら興奮していたら、車の後輪がパンク。目の前にライオンがいるから、ドライバーが降りてタイヤを取り替えることもできない。かといって、このままサファリを続けるわけにもいかない。そこで夜を過ごすわけにもいかない。

すると他の車が何台か寄ってきて、ライオンから私たちの車が見えないように車で柵をつくり、無事にタイヤ交換。ライオンはおとなしそうに寝そべっていても、人が車から降りると途端に襲いかかるそう。よかった、よかった、ガイドさんたちの協力で危機を逃れました。

タイヤが穴に落ちて、いくら頑張ってもそこから出れず、他のサファリカーを呼んで、チェーンで引っ張ってもらってやっと窮地から救われた、などということもありました。
ほんとうに大冒険でした。

2014年8月16日

動物王国ケニア 3


マサイ族の村ではマサイたちの大歓迎。
みな、カラフルな服装で、
アクセサリーをたくさんつけている。
あまりにもステキなのでいくつも買う。

彼らはこぞって驚くほどスリムで背が高い。
何を食べているのか、うらやましい。

背が高くスリムでうらやましい。
手作りの家。中もちょっとだけ拝見。
ジャンプ力もすごい。何度も飛び上がったり、走り回ってサーヴィスしてくれる。家にもどうぞと誘われて中に入ったけれど、牛の糞で作ってあるとのことで、かなりの匂い。

「でも、何事も慣れよ」とツアーの同行者は言ったけれど、どうも長くいられない。数分いただけで外に出たくなる。家の背が低いので、体中に匂いが浸み込みそう。そういえば窓もなかった。

赤道通過点で
ちょっと緊張

ナクル湖国立公園には、数百万ものフラミンゴがいるし、サイも多いという。
その数はケニアでもっとも多いという。ということで翌日、サファリカーはナルクへと向う。その途中で赤道通過。ケニアに赤道が通っていると知らなかった私はびっくり。そこを通るとき、なんだか凄いことをしているような気分になって、姿勢を正す。しかも、通過証明書などいただいたし。とはいえ、希望者には有料ですがいくらでも書いてくれるのです。

フラミンゴが優美な姿を見せるナクル湖
実験さえもしてくれるのには驚きました。科学知識ゼロの私でもわかるように、バケツに水を入れ、その中にワラを浮かべて見せてくれる。赤道の真上だと力が引き合いワラはびくともしない。ところが、ちょっと先の北半球に行くとワラが時計回りにまわり、反対に少し戻った南半球だと左回りにまわる。お勉強になりました。
いろいろな動物が伸び伸び暮している。
自然はいいなぁ~と動物たち。そういう私も動物なのね。
ナクル湖では、聞いていた通りフラミンゴの大軍が圧倒的な美しさ。いつもこのようにたくさんいるわけではなく、今日は非常にラッキーだとガイドさん。もう、無条件に素晴らしい。湖の水が淡いピンク色に染まったよう。自然の不思議に大感動しないではいられない。

2014年8月14日

動物王国ケニア 2


子供の頃愛読していた
童話の世界が現実になった
思い。
いよいよ、自然の中で自由を満喫しながら暮している動物を追うサファリに出かけるのです。当然、興奮度は最高を示す。サファリカーは、屋根が動物が入れない大きさに開けられる特製のもの。6人乗りの小型で、これで動物を求めて走るのです。

ドライバー件ガイドさんは、いざというときのためかナタのようなものを足元に置いている。不思議な人で20分に一言くらいしか話さない。デコボコの道を進むから、頭を天井にぶつけないように気をつけていないと危ない、と緊張。

小さい木の下で
チーター兄弟仲良くお休み中
見えてきた、見えてきた。果てしなく続く平地サバンナが見えてきた。何て広いのだろう。はるか彼方まで見渡せる。まるで、先が見えない海のよう。そこで様々な動物たちが行き交っている。

今まで動物園でしか見なかった動物が、檻の中ではなく、自然の中で自由に動き回っているではないか。ときどき草を食べ、ときどき走り、ときどき体をすり合わせている。急に群れをなして移動することもある。なぜかはさっぱりわからない。こういう場所ではあまり深く考えないに限る。
びっくりするほどたくさんいるヌー。

みんな、とてもしあわせそう。嬉しそう。動物園の動物もほんとうは、こうした環境に暮していたいのだろうに、とかわいそうになる。ゴリラ、鹿、キリンたちが信じられないくらい近くにいる。人間を完全に無視してそれぞれマイペースで暮している。

ホテルから木造のロッジに移ったら
カラフルなトカゲがお出迎え。
トカゲがきれいだと思ったのは初めて。
でもやっぱり苦手。ゴメンね。
ここはほんとうに彼らの国なのです。幸福がみなぎっている祖国なのだ。ヌーと呼ばれるウシ科の動物が、どこでも大軍をなしている。その数の多さは驚異的。地面が見えないくらい密集していることもある。可愛いのは木の下で憩うチーター。ガイドさんによれば親を失った兄弟だそう。

それにしても、同じ地球上に何て異なる世界があること。未開の国を旅するごとに地球が狭くなったのを感じるのではなく、逆にどんどん広がる一方。自分がいかに何も知らないか、痛切に感じます。

旅はいい。
どの国にも良さがある。
      

2014年8月13日

 動物王国ケニア 1


動物たちの国ケニア
ケニアに行くのは夏に限る、と聞いた私は「えっ、パリより暑いところに何も夏に行くことないのに」と、とっさに思う。でも、あの国の気候はパリと逆で夏が一番涼しいと知って納得。とはいえ、すぐに行くことはできない。予防注射が必要なのです。マラリア、黄熱病、チフス、破傷風もある。

夕方4時頃から、お猿さんがホテルに近づき
部屋にまで入ってきます。私はノーメイク。
お猿さんは生まれつきの天然メイク。
言葉は通じないけれど、
何となく意気投合。
歯を磨くのもミネラルウォーターでないとダメ、と注意され心も体も緊張。首都だけにいるのであれば、問題ないのでしょうが、とにかく私の頭の中でのケニアのイメージは、動物が果てしない大地で伸び伸び暮していること。だからサファリツアーをしなければ意味がない。ということで予防注射も必要なのです。

首都のナイロビに到着後、すぐにミニバスにのり、国立保護区マサイ・マラに向う。バスはジャンプするように走る。穴だらけの道路。歩道と車道の区別がない。子供たちが大きな笑顔でバスに向って手を振る。とても可愛らしい。道路際に、風が吹いたら壊れそうなお店が並んでいる。ヘアサロンとかスーパーなどと看板がかかっている。

汚れた衣類や、3,4個の果物を売っている屋台もある。土ほこりの中に家がポツンポツンと建っている。まるで西部劇の中にいるようだ。
 
木造のホテルに到着すると冷たいフルーツジュースのサーヴィス。フランスの旅行会社がオーガナイズしたツアーなので、きっと全行程の食べ物がいいに違いない。

すっかりなついたお猿さんと
窓の下で展開する光景に見入る。
窓のすぐ下に池というか沼が見える。その向こうに植林が続く。池の周りに見たこともない黒っぽい動物がウヨウヨしている。コブだそう。牛だか馬だか鹿だか区別がつかない。哲学者のように下ばかり向いて、瞑想にふけっているよう。あのようにして一生を終えるのだろうか。

「4時ころになると猿が来ますよ」とガイドさんが言ったとおり、4時10分くらいからお猿さんが一匹、二匹、三匹と飛び跳ねながら池に近づいてくる。見る見るうちにお猿さんの数が増えて、窓までのぼってくる。人なれしているのか、とても愛嬌があっていい。パリに連れて帰りたいほど仲良しになったのもいる。

夕食後の9時頃、象が家族揃って水を飲みに来た。何頭も何頭も連なりながら、ノッシノッシと歩いている。すごい迫力。その後はドッスンドッスンという怖ろしい音がする。バッファローの大軍なのです。ケニアにいる実感が倍増。心が高鳴ります。

限りなく青い空。清らかな空気。
自然のままの自然はほんとうにいい。
翌朝、カーテンを開けると、昨日は見えなかったケニヤ山が遠くに美しい頂上を見せている。これがケニアで一番高い山なのです。空は青い。混じりけのない本当の青。一瞬、空が大きな手を広げて守っているように思えた。ケニアには本物の空がある。