未亡人となった王妃は、 急激に老けていきました。 |
タンプル塔の4階。 右下が王妃の部屋。 |
処刑場に向うルイ16世を救おうと、沿道で群集に発起を呼びかけ、失敗したにもかかわらず、バッツ男爵はまたもや救出計画を立てたのでした。
彼はタンプル塔の監視長ミッショニーに目をつけます。様々な人から得た情報で、彼は買収しやすい人物だと思ったからです。
バッツ男爵から多額の金を受け取ったミッショニーは、王妃たちの脱出を手伝う提案を承諾します。
男爵が塔に入れるようにするために、監視人の制服を渡したのも、王妃たちが脱出の際に身につける、国民軍のマントーと帽子を準備したのも彼でした。
その後ミッショニーは、バッツ男爵から受け取った金を複数の監視人に握らせ、味方を増やします。
脱出は、6月21日夜中から22日朝にかけて行なうことも決まりました。
王妃は一日として 祈りを欠かしたことはありませんでした。 |
このような通報は年中あって、特別驚くべきことではなかった。けれども、万が一を考え、シモンはタンプル塔に出向いたのです。
シモンの姿を見たミッショニーとバッツ男爵は、計画が発覚されたと解釈し、怪しまれないように、こっそりとその場を去るのがやっとでした。王妃たちの脱出はあっけなく失敗に終わります。
この他、王妃に傾倒しているジャルジェイも、王妃脱出計画を立てますが、彼の場合は王妃のみの救出だったので、子煩悩なマリー・アントワネットは頭からそれを断ります。
救出計画はどれも実現しないまま、タンプル塔での日々は流れていきます。