2020年2月10日

メトロの駅名は語る 145

Trinité
トリニテ(12号線)

サント・トリニテ教会からこの駅名が生まれました。

「トリニテ」は三位一体という意味で、「父」「子」「精霊」が一体であるというキリスト教の教えです。唯一の神が3つの位格で現わされているが、実際にはそれが一体だという意味です。父は神で、子はイエス・キリストであることは簡単に分かりますが、聖霊は説明がとても難しい。いろいろ調べてもっとも分かりやすいと思ったのは、神の力という説明。つまり、いつどこにいようと伝わってくる神のエネルギーです。絵画ではハトで表現されることが多いようです。

15世紀のヴァン・アイクの作品。

ラテン・エルサレム総司教大聖堂に描かれた絵。
当初サント・トリニテ教会はクリシー通りにありましたが、それを現在の位置に変えたのはナポレオン3世の時代のセーヌ県知事、オスマン男爵でした。パリ大改造のために多くの老朽化した建造物が取り壊されたり、移動させられたりしていた時代です。

19世紀半ばに完成したサント・トリニテ教会。

小さい広場が前にするサント・トリニテ教会は1861年に建築開始され、1867年に完成。正面はイタリア・ルネサンスからインスパイアされた豪華な装飾が施され、三位一体を表す彫刻もあります。