2021年7月13日

マクロン大統領の声明、驚くべき効果

新型コロナウイルス感染者が少なくなって喜んでいたら、このところ、急激に感染者も入院患者も増え、ちょっと心配になってきたフランス。

この辺りで、引き締めなければいけないとばかりに、マクロン大統領がテレビで声明を発表。いつもは大統領官邸のエリゼ宮殿からなのに、今回は、シャンドマルスに最近誕生したばかりの「つかの間のグラン・パレ」 からの録画。

「つかの間のグラン・パレ」というのは、本物のグラン・パレが、修復工事で閉まっているために、その間、様々なイヴェントを開催できるように建築した立派な建造物。2024年のパリオリンピックにも使用するらしい。

スイーツが良く似合うパリ。
でも、今は、状況があまり甘くないパリ。


肝心の声明は30分続き、デルタ株の感染力が非常に強く、それに対抗するために、ワクチン接種を強化しなくてはならない、という内容が大部分。

それによると、医療機関や高齢者施設、あるいは自宅看護にあたるすべての人に、ワクチンを義務付け、9月中旬までに実施しないと、報酬を受けられないし、仕事を失うことになる。

それだけでなく、7月21日から、50人以上が集まる映画館や美術館などで、衛生パスポートの提示を義務とする。

現在は無料のPCR検査も、秋から有料とする。49ユーロ。

その他、カフェ、レストラン、ショッピングモールで働く人も、顧客も、さらに遠距離の公共乗り物に乗車するさいにも、衛生パスポート提示の法案が議会で採択されれば、8月から実施する。状況によっては、これをもっと広げることもありうる。

一時たりとも、テレビカメラから視線をはずすことなく、冷静に語り続けるマクロン大統領。

これだけ矢継ぎ早に言われて、これは一大事と、大統領の声明後、約926000人がワクチン接種の予約を入れ、翌日の午前中には130万人を超えたそう。

すごい効果。でも、これをすんなり受けるフランス人ではない。労働組合や、その他無数にある組合が黙っているはずがない。大荒れになりそうな気配。