2022年3月26日

太陽に愛されるパリ

 サハラ砂漠の砂塵は去って行ったけれど、ここ数日間、晴天続きで連日最高気温は20度。この時期のこの気温は、やはり異常。

強い太陽を浴びて、木が地面に墨絵を描いたよう。


こうなると、石造りのアパルトマンの中になんか、いたくない。カフェのテラスは最高の憩いの場になり、たくさんの人でにぎやかなこと。みな、気軽な服装でランチやドリンクを、時間をかけてゆっくり楽しむ。何時間いても、気にしないでいられる雰囲気がカフェにあるので、好きなだけ遠慮なくいられる。

気ままに、好きなだけおしゃべりを楽しめるのが
カフェの魅力。

パリのカフェは、そこにいるそれぞれの人のサロン。
自由がゆったり漂っていて、居心地いい。


太陽は解放感や幸せを与えてくれるらしく、こういう日には明るい話題が多い。今、もっとも関心が高いのは、4月のイースターのヴァカンスをどこで、どのように過ごすか。新型コロナ感染者がこのところ増えているとはいえ、まるで、それは過去の出来事のように、気にする人は少ない。

でもウクライナは別。気の毒な避難者たちを迎える準備は、フランス全土で着々と進んでいて、すでにフランス人の家庭に落ち着き、子供たちがフランスの学校に通っている様子も、時折テレビで紹介。

ウクライナといえば、ゼレンスキー大統領のオンライン演説が話題。国によって内容を変え、不満な点をはっきりと述べ、それでいて巧みに援助を頼む知性と勇気、説得ある真剣な話し方。日本での演説は、日本人の心情をよく理解している内容で、とてもよかった。

大統領夫人が有能な脚本家だったそうで、原稿にも彼女の意見も取り込まれているのだと思う。そういえば、フランスのマクロン大統領の演説も、ブリジット夫人がチェックするそう。ゼレンスキー大統領とマクロン大統領は、二人そろって44歳という若さ。

原稿をほとんど読むことなく、カメラに向かって語りかけるのも同じ。だから説得力もある。で、日本の政治家は? もっと演説力を磨く必要があるのでは?


ジャン=ミッシェル・オトニエルのメトロの入り口も、
陽光を浴びて、ひときわ華やいでいます。
このあふれるほどの輝きを、いくつもの国境を越えてウクライナに届けたい。