春は眠い眠いのです |
なぜって・・・
こういうことなの。
春はどうしてか眠いわね。
ワタシがグーグー眠っていたら、
ママンが、突然、わけがわからないことをいうの。
「春眠あかつきをおぼえず・・・」
春は眠くて、朝になったこともわからないということなの。
つまり気候のせいね。
あの人、けっこういいこと知っているのね。
それでいつもの通りフカフカのクッションの上で、それはそれは気持ちよく眠っていたの。
そうしたら、どこからともなくネコ語が聞こえるじゃないの。
びっくりして声の方に向かって行ったら、すごく立派な毛並みの大きなネコがいるではないか!!
「君もびっくりしたかもしれないけれど、私もびっくり。なにしろドアの外でニャンニャンてないているから、てっきり君かと思ってあけたら、このネコが入ってきたの。
ほらよくあるじゃないの。君が私の目を盗んで外にいくことが。
今回もそうだと思ったの」
バスルームにまで 入り込んだデュシェス |
自分の家でもないのにね。
きっとカンが悪いネコなのよ。
それでママンが管理人のマニュエルに、どこかのネコが迷い込んでいるって教えたの。
「で、どんなネコですか?」
「グレーの長い毛のネコで、ちょっとおすまし。すごく大きいネコです」
「ああ、それはデュシェスだ」
デュシェス!
日本語にすると公爵夫人。
ウィリアム王子と結婚したキャサリンと同じ称号なのです。
結局彼女はワタシの家が気に入らないようで、
その後二度と姿を見せませんでした。
すごく内気なステラ |
管理人のマニュエルもネコをかっているのよ。ステラっていうの。すごく気が小さくて、一度ワタシの家の近くまできたけれど、なぜかワタシの姿を見て恐れたのか後ずさりして、帰ってしまったの。それっきり見かけないけれど、ママンが言うのには、管理室のデスクの上でゴロンゴロンしているんですって。
と言っている間にまた眠くなってきたわ。春眠あかつきをおぼえず・・・だからね。