2012年3月13日

ユネスコ本部のメモリアル・コンサート

3月11日早朝にトロカデロ広場で日本に向って黙祷し花束をささげた同じ日の15時から、ユネスコ本部でコンサートが開かれました。

ユネスコ本部での
メモリアル・コンサート
コンサートは日本を代表する指揮者佐渡祐さんのイニシアティヴでおこなわれ、
演奏者、選曲ともに高度なもの。

まず、東日本大震災の多くの犠牲者のためにバッハの「G線上のアリア」が演奏され、その後全員起立して黙祷をささげました。
日本人とフランス人でほぼ満席の会場では、美しい音色に涙を流す人が多く非常に印象的でした。

世界の国旗が並ぶユネスコ本部
演奏は、一周年のために日本からパリに来た、小学生から高校生までの青少年で編成されたスーパー・キッズ・オーケストラ。若い年齢にもかかわらず、その確かな技量は大喝采を受けました。

彼らによる数曲の演奏に続いて、辻井伸行さんのピアノ演奏。全盲の彼を佐渡さんがしっかりと手を握りながら
ピアノまで導く姿もまた、感動的でした。さまざまな賞を獲得した実力派の辻井さんは、ピアノを演奏することがいかに大きな喜びであるか、身体中で示しながら会場を魅了。

佐渡祐さん表紙のプログラム
その後、日仏の演奏家編成のオーケストラに変わり、辻井さんと同じように多くの賞に輝く周防亮介さんの卓越したヴァイオリン演奏。この日のためにパリにいらした被災者の言葉も、スクリーンに映された被災地の子供たちの未来への抱負も、胸に響きました。

最後に舞台と会場が一体となって「ふるさと」を歌いメモリアル・コンサートが終了しました。この素晴らしい企画はきっといつまでも心に残ることでしょう。

ふるさと。
それは、一箇所にかぎることではないのです。
特に祖国から離れている日本人にとっては、生まれた町、あるいは育った町がふるさとであり、同時に、日本すべてが、あるいは日本に住む日本人がふるさとなのです。
いつまでもなつかしく、いかなるときにも心から離れることのないふるさとなのです。