2016年3月24日

カルティエ財団現代美術館でTATEHANA BUNRAKU

カルティエ財団で画期的な文楽の公演。
斬新なイヴェントで常に話題を呼んでいるカルティエ財団で、贅沢な文楽を堪能しました。衣装、舞台装置、小物は幅広い活躍をしている現代アートの鬼才、舘鼻則孝さん創作。文楽の人形遣いは桐竹勘十郎三代目。

公演内容のフランス語説明パンフレット。
写真左、桐竹勘十郎三代目。右、舘鼻則孝さん。
江戸初期にさかのぼる日本の伝統芸能を、パリで、しかもコンテンポラリーアートを紹介する場として名高いカルティエ財団での特別公演。きっと今までと異なった文楽に違いないと心をときめかしながら出席。

公演後、
人形を近くで観賞できる配慮が
大好評。
会場は小さめで、そのために近くで観賞できたのが素晴らしい。人形遣い、太夫、三味線が一体となって繰り広げる演芸は、熟練の方々ならではの迫力。

特に今回感激したのは、人形が奏でるお琴やお三味線の指の動き。日本人ならではの緻密で正確な動きは、人の技とは思えないほど。
桐竹勘十郎三代目が人形に魂を込めているのがひしひし伝わってきました。

舘鼻則孝さんによる舞台装置と衣装は、今までの観念を振り切るようなインパクトがあり、まるで文楽が活性化されたよう。それでいて伝統芸能を伝えているのだから凄い。

公演終了後、舘鼻則孝さんによる人形衣装を観賞できるよう、舞台装置のひとつである鮮やかな橋に人形を飾って下さったのは、21世紀にふさわしいアイディア。
おいしいシャンパンもいただいて、身も心も温まった夜でした。