2017年5月30日

メトロの駅名は語る 43

Raspail
ラスパイユ(4,6号線)

フランソワ=ヴァンサン・ラスパイユ。
19世紀の化学者であり政治家で医師だったフランソワ=ヴァンサン・ラスパイユの名を冠したこの駅は、かの有名な「カルティエ現代美術財団」の近くなので、催し物があるたびに、特に若者たちで賑わいます。

ラスパイユの名はどちらかというと、ラスパイユ大通りとして親しまれています。
パリ在住の多くの日本人が愛用しているビオ(オーガニック)のマルシェが毎週日曜日に開かれ、一般の人だけでなく、レストラン経営者の顔もちらほら。
ビオの野菜、果物、肉、魚、パン、蜂蜜などの食料品の他、化粧品、シャンプー、石鹸もある。
パリジャンはビオに凝っている人が多く、ビオのレストランも急に増えています。私もビオばかり。

1900年代初期のリュテシア・ホテル
この大通りとセーヴル通りが交差するあたりには、今、リニューアル工事中のリュテシア・ホテルもあります。アール・ヌーヴォーのホテル内にアール・デコのバーを実現したこのホテルは、ボン・マルシェ・デパートの顧客のために、デパートオーナーが建築させたホテル。
第二次世界大戦の時にはドイツに没収され、終戦後には強制収容所に送られていた人々の宿泊所になったこともありました。

ホテル名「リュテシア」は、
パリがローマの支配下だった時代の町名ルテティア(ラテン語)が起源。
4世紀に主にシテ島に暮らすパリシイ族から町名を「パリ」と改名。
リュテシアは昔のパリの名なのです。
現在、日本でも活躍し名が知られているジャン=ミッシェル・ヴィルモットにより改築中。かつての良き部分をそのまま残し、そこに現代の息吹を吹き込むとのことで、完成が楽しみ。ここのアール・デコのバーは大好きだし、魚介類がご自慢のレストランも美味でお勧め。

完成は2017~2018年だそう。
いつも工事が長引くフランス。2年遅れなどということも多いパリ。
気長に待ちましょうね。