2019年9月17日

ダヴィンチ設計の機械仕掛けのライオン

今年はルネサンスの巨匠レオナルド・ダヴィンチがフランスで没して500年記念の年。春先からいろいろなイヴェントがありましたが、ダヴィンチの設計を基にして再現した機械で動く木製のライオン像が、9月中旬から10月9日までパリのイタリア文化会館に展示されています。想像を超える驚異的な作品です。

木製のライオン像。周囲にはメカニックの詳しい説明がありますが、
私にはさっぱり分かりません。
迫力ある表情に圧倒されます。

ライオンがいかに大きいか私と比べてください。

ローマ教皇レオ10世がフランス国王フランソワ一世を喜ばせるために、ダヴィンチにライオンのロボットを依頼し、その時のデッサンを基に後年再現されたのです。高さ2m、長さ3mの大きなライオン像は、顔の表情、今にも動き出しそうな四肢、王者にふさわしいたてがみもリアリティがあり圧巻です。体の中の金属製のメカニズムも見れるようになっています。

1515年、国王即位の年の20歳のフランソワ1世。
(1494-1547)

ロ-マ教皇レオ10世。(1475-1521) ラファエル作。

このライオンロボットはフランソワ一世に向かって歩き、国王の前についたときにフランス王家の紋章となっているユリの花を足元に置き、フィレンツェのシンボルの花(ユリ)を散りばめるためにお腹が開く装置だったそうです。500年も前の発想だったことに驚嘆しないではいられません。

レオナルド・ダヴィンチ(1452-1519)自画像。

ダヴィンチのライオン像が展示されているイタリア文化会館も18世紀建築の旧邸宅で素晴らしい。19世紀を代表する画家ドラクロワや、革命期、ナポレオンの時世、王政復古の時代を巧みに生きた政治家タレイランが暮らしていただけあって、彫刻をほどこした重厚な建造物で庭園も優美。1909年にイタリアが購入し大使館だったのが、1962年から文化会館となり多くの文化的行事を開催しています。

旧邸宅ならではの瀟洒なインテリア。
コンサートも時々開かれます。

憩いの場であり屋外展示場にもなる庭園。