気に入った靴を見ると甘えたくなる~
「ネェ、ステキなお靴だから、ちょっとさわっていい?」 「まあ、ずいぶん変わったワンちゃん。いいわよ、どうぞ、どうぞ」 |
わ~~いと喜びながら近づいてみると、 ナンだかすごく怖そうなブーツ。なので遠慮します。 |
それよりお隣のスニーカーの方がいいわ。 やわらかくて肌触りも満点。しばらくこのまま甘えていたいワ~ン。 |
パリを散歩していると記念碑がたくさんあることに気が付きます。素晴らしいと思うのは、その記念碑に短いながら歴史が書かれていること。思いがけない場所に思いがけない歴史があったのだと、そうした記念碑を見て発見するのは、私にとって刺激でありときには感動です。
先日もリヴォリ通りを歩いていたら、チュイルリー公園の重厚な鉄柵に石のパネルがあるので近づいてみると、フランス共和国宣言がここで行われたと書いてある。そういえば、革命時の議会はころころと変わったものの、議場は同じでチュイルリー公園近くだと書いてあったのを思い出しました。「ああ、ここがそうだったのか」とすっかり感激。もちろんスマホで写真を撮りました。
「1792年、9月21日、共和国成立」と一番下に大きめの文字で書かれています。 その上は「憲法制定国民議会」「立法議会」「国民公会」と 革命の時の議会の変貌が綴られています。 |
旧屋内馬術練習場が議場になったのでした。 現在のオランジュリー美術館の裏手です。 |
ルイ16世の裁判も行われました。 |
右の赤い文字Manègeが議場だった元屋内馬術練習場。 その右下はルイ15世広場。現在のコンコルド広場です。 左の白い8角形の広場はルイ14世広場で、現在はヴァンドーム広場。 |
ついに1月16日から2週間、フランス全土で18時以降から朝6時まで外出禁止となってしまいました。コロナ感染者の数字を見るたびに覚悟はしていたものの、やはり緊張感を覚えます。今のところ2週間ですが、この結果によっては外出禁止令延長か、3度目のロックダウンも考えられるそうなので、何とか一人ひとりが自覚して、そうならないようにしてほしい。
テレビニュースで通勤時間帯のメトロの映像を流していましたが、ほとんど例外なしにマスクをしているものの、乗客がひしめき合っているのを見て、あまり期待できそうもないと実感。
ワクチンの普及が一つの救いなのでしょうが、フランス人は懐疑的で約半分の人がワクチン接種を拒否しています。副作用が心配だというのがその理由で、通常、数年かけてワクチンを開発するのに、短い治験の結果生まれたので信用できないのです。それに加えてイギリスや南アフリカで変異種が出現し、フランスにも入ってきているので、今回のワクチンがそれに対して効果があるのかと不信感がますます高まる。しかもワクチン効果は半年くらいらしいので、それも接種拒否の原因になっているのでしょう。最悪状態のイギリスはそうも言っていられないので、接種がどんどん進んでいるようです。
イタリアレストランの看板娘ブランカちゃん。 数年ぶりの登場です。 レストランが閉まっているので、広い店内をひとり占め。 |
レストラン内に人がいないだけでなく、 お外にもだ~れもいない。 ン?もしかしたら、あれは珍しく人間かニャ。 |
今までの20時以降の外出禁止が18時以降となり、2時間の差が大きく感じられてなりません。レストランやカフェ、美術館、劇場が再オープンするのは、一体いつになるのでしょう。それまで、時々ブランカちゃんの愛らしい姿を見て心に平和を抱きながら、ポジティブに日々を送ろう。
外出禁止初日の今日、午後から雪。いまだに残っているクリスマス装飾と相まって、パリが美しく見えます。
18世紀に建築されたマティニョン館。 館の裏に広大な庭園があり現在も健在です。 |
ジャック・ド・ゴワイヨン=マティニョン(1689-1751) |
ルイーズ=イポリット・グリマルディ (1697-1731) |
フランス首相官邸、マティニョン館。 |
ロダン美術館になっているビロン館 |
現代モードのパイオニアのシャネルが87歳の生涯を閉じたのは1971年1月10日で、今年はその50周年記念の年にあたり、モード美術館ガリエラでは回顧展「ガブリエル・シャネル」が開催されています。(現在はコロナの影響で閉鎖中です)
従来の服装に関する既成観念を次々に破り、女性たちの体や動きに解放感を与えたシャネルが、わずか50年前まで同じパリの空の下で生きていたのかと思うと、感慨を覚えます。服装の改革だけでなく、人生の生き方でも多くの教えを残したシャネルの業績があまりにも大きいので、歴史上の人物のように感じられるのです。そのような稀有な女性が、私たちと同じ20世紀を生きていたことが不思議に思えてなりません。
人生を力強く生き抜いたココ・シャネル。 亡くなる前年の1970年、カンボン通りの自宅でのシャネル。 |
シャネルは時代と共に変化する「流行」ではなく、一定の形式を表す「スタイル」つまり様式を築いたクチュリエです。それがいかに偉大なことかは、彼女が去って50年経った今でも、変わることなく残っていることからよくわかります。しかもシャネルの刻印は服だけでなく、バッグ、靴、アクセサリー、香水に至るまで多岐に及んで刻まれていて、これらすべての製品は、年月が過ぎても、世の中がいかに変わろうとも、一見しただけでシャネルだとわかるのは驚くべきことです。
ジャケットもバッグも、 ひと目でシャネルだとわかります。 特有のスタイルを保ちながら、 毎回のコレクションに新鮮味と変化を与えているのが、 大きな強みです。私も長年愛用しています。 |
シャネルの魅力、強さはそこにある。ブランド名を見なくてもシャネルだとわかるのは、それを持つ女性たちに満足感や幸福感を与え、自信が生まれ、自己肯定感が高まり、人生をポジティブに生きるようになるのだと思う。ココ・シャネル自身がそうであったように。
昨年7月出版のシャネルの生き方を綴った本です。 知れば知るほど稀に見る女性であることがわかりますので、 ご覧いただけたらうれしいです。 |
「シャネル№5」の1921年のパブリシティ。 |
ジェラール・ルマン-1851-1920) |
初期フランドル派画家、ファン・エイクの 1435年の名作「宰相ロランの聖母」に リエージュの町が描かれています。 |
イギリス国王エドワード7世が「王の宝石商、宝石商の王」と称えたカルティエ。パリのラぺ通りの本店にはそれにふさわしい風格があり、前を通るだけで高貴な輝きを全身に浴びたように、幸福感に浸れます。建物の外観自体に歴史が刻まれていて、今ではパリのモニュメント的存在。
そのカルティエが工事中。昨年から始まっているのですが、全館のリニューアルをしているようで、完成までにまだまだ時間がかかりそう。こうした工事の間でも、宝石商の王としての品格を保つことにこだわるカルティエの配慮が素晴らしい。
工事中のカルティエ本店。 大規模なトロンプルイユで パリの美観を損ねない心遣いが素晴らしい。 京都の趣が感じられ、思わず立ち止まってしまいました。 |
作業にあたる人々が出入りするエントランスは、まるで本物のガラスがはめられているように描かれ、その左右に描かれている重厚な大理石の柱も、下を飾る整然とした長い鉄柵も実物とまったく同じに描かれている。
さすがだと思うのは、エントランス右手の網目模様の向こうに見えるショーウインドウ。全体をトロンプルイユにしないで実物のショーウインドウと組み合わせて、単調にならないように変化をつけるのは、芸術の街ならではの美的感性のあらわれです。
DIOR by Dior クリスチャン・ディオール 自叙伝 (翻訳) 集英社 | |
CHANEL BOOK 完全版 (翻訳) さくら舎 | |
シャネル シャネルを支えた 8人のレジェンドと 生きている言葉 さくら舎 | |
ルーヴル美術館 女たちの肖像 描かれなかったドラマ 講談社+α文庫 |
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カルティエと王家の宝石 集英社インターナショナル | |
カルティエを愛した女たち 集英社インターナショナル | |
最期の日のマリー・アントワネット ハプスブルク家の連続悲劇 講談社+α文庫 | |
イヴ・サンローラン への手紙 (翻訳) 中央公論新社 | |
クイズで入門 ヨーロッパの王室 講談社+α文庫 | |
マリー・アントワネットと フェルセン 真実の恋 講談社+α文庫 | |
国王を虜にした女たち 講談社+α文庫 | |
息子を国王にした女たち 講談社+α文庫 | |
ディオールの世界 集英社 | |
ディオールと華麗なるセレブリティの物語 講談社 | |
Yves Saint Laurent
The Beginning of a Legend アルク出版 | |
フランス革命秘話 大修館書店 | |
マリー・アントワネットと悲運の王子 講談社+α文庫 | |
ナポレオンが選んだ三人の女 講談社+α文庫 | |
ヴェルサイユ宮殿 密謀物語 大和書房文庫 | |
パリのフローリスト、 パリのお花屋さん フォーシーズンズプレス | |
セザンヌ 〔共著〕 婦人画報社 | |
ヴェルサイユ 王の悦び 〔翻訳〕 Les Editions du Huitième Jour | |
花の向こうに 〔翻訳〕 世界文化社 |