2021年5月19日

テラス席、美術館、映画館、劇場・・・再オープン

 待ちに待っていた5月19日を迎え、隅々までよろこびが飛び交っているパリ。この日からレストランもカフェもテラス席を再開しているので、どこも大賑わい。しかも、夜間外出禁止令が7時から9時になったから、結構ゆっくりと時間を過ごせるのです。これだと、早めのディナーも楽しめる。

今までは、教会の階段、公園のベンチ、芝生の上、バス停の椅子、セーヌ川の川岸などで、テイクアウトを急いで食べていたのが、椅子に座って、しかも、サーヴィスを受けながら食事を楽しめるのだから、喜びはひとしお。だから誰の顔も輝いている。

テラス席再オープンの日のランチタイムは雨。
それでも多くの人が待ち構えていたように殺到。


なぜか、急に馬車が連なって細い道路に入ってきて、
そこに乗っている人がテラスに向かって
「皆、楽しんで~」などと声をかけている。
それに答えてテラスから「メルシー!!」と元気な声が上がる、
和やかな場面もあったテラス開放初日でした。

ソーシャルディスタンスを保ち、ワンテーブル6人までと人数制限があるとはいえ、閑散としていたテラスに数えきれないほど多くの人が集まり、話し声が響き、快活な笑い声があがり、サーヴィス係りが忙し気に動き回るのを見ていると、人生に活気がよみがえったよう。そうした様子を見ているだけで、うれしさが伝わってきます。

ロックダウンを決定するときに、マクロン大統領がフランス人のメンタリティーを考慮し、できるだけ短くしたいと語っていたのを思い出します。アールドヴィーヴルにこだわるフランス人にとって、食事は重要なアートなのです。それを取り上げたら、精神的苦痛を感じる。だから、テラス席解放だけでも、大事。これを最大に楽しまないではいられない。お天気が今ひとつだけれど、文句は言うまい。

美術館、映画館、劇場、デパート、洋品店、動物園も人数制限をしながら再開。忘れられていた華やかさが輝いているパリです。

アメリカ大統領は、ワクチンを2回接種し、2週間経ったらマスクをはずしていいと公言しましたが、フランス人は懐疑的。テラス開放でも、食事が運ばれるまでマスク着用が求められているほど。

フランスでは大手製薬会社サノフィが、コロナのワクチン開発をずっと行っていて、その最新発表ではかなり期待できそう。2回の接種で抗体陽転は95~100%で力強い免疫力。価格はファイザーの半分。保存期間はファイザーの数倍の長さ。すべての年齢に適しているといいことばかり。現在、治験を続けていて、今後3万5000人の治験を終えた段階で結果をみて、今年末に実用化に踏み切る予定。

これに大いに期待したい。