2024年6月12日

ルネサンスの始まり展、フランス国立図書館リシュリュー館

 ヨーロッパ全土に大きな影響を与えたルネサンスが、14世紀から15世紀にかけてイタリアで始まったことはよく知られている。フランス国立図書館リシュリュー館では、知的、芸術的動きを大きく変えたルネサンス初期の重要性に焦点を当て、200点以上の貴重な手書きの本、彫刻、絵、デッサン、メダルなどを展示。

ギリシャ・ローマの古代文明の価値観を蘇らせたルネサンスの感化を受けたフランスは、16世紀に文芸や建築などが目覚ましい変化をとげ、輝かしい時代を迎えたのです。今回の展覧会で、イタリアに発祥したルネサンスを伝える多くの作品を、まじかに目にすることが出来たのは感慨深いことでした。500年以上も前の識者の素晴らしさを再認識しました。

展示会場の熱心な訪問者たちを見守る、
イタリア・ルネサンス初期の
人文主義者ペトラルカの大きなパネル。

詩人であり、哲学者であり政治家だった
ダンテの代表作「神曲」の挿絵入りの貴重な本。
ボッティチェリの原画をもとにした銅版画。15世紀
      
古代ローマの天文学、数学などの偉大な学者プトレマイオス(100年代)による
「宇宙誌」を15世紀に翻訳し装丁した、イタリア・ルネッサンスの最も豪華な本。

ナポリの王女の大理石の胸像。
王女の名前は不明。15世紀。

フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂で
使用されていたトーチホルダー。ブロンズ。1439年。
豪華な装丁のバイブル、本、メダル。
中央は古代ローマ皇帝ネロ(54-68)の硬貨。

イタリア・ルネサンス期のナポリ王
ルイ2世ダンジュ―(1377-1417)
古代の硬貨やメダルの影響を受けて
横顔が描かれている。

20人の美術関係者が 招待され、
図書館専属ガイドの2時間の詳しい説明があり、
多くのことを学びました。

長年かけて修復と洗浄を行ったフランス国立図書館リシュリュー館。

中庭に面した建物は建築当時のままの部分が多く、長い歴史を語っています。
ルイ14世の実質的宰相だったマザラン枢機卿(1602-1661)が建築させた建物。