2021年9月13日

マリー・アントワネットのブレスレット、競売に

非常に貴重なマリー・アントワネットのダイヤモンドのブレスレットが、11月9日、クリスティーズによって、ジュネーヴで競売されます。

ジュエリーをこよなく愛した王妃マリー・アントワネット。
肖像画では、3連のパールのブレスレットを両手首につけている。
これと同じスタイルのダイヤモンドのブレスレットが、11月に競売されるのです。


王妃はジュエリーをこよなく愛する女性だったことは、よく知られています。彼女の肖像画で見る限りでは、パールが多いが、ダイヤモンドにも心を奪われていたようです。フランス革命で、王妃のジュエリーの多くは行方不明になったけれど、今回、オークションされるダイヤモンドのブレスレットは、身の危険を感じたマリー・アントワネットが、万が一を考えて、もっとも信頼を寄せていた人物に預けていた逸品。

駐仏オーストリア大使だったメルシー伯爵。


その人物は、マリー・アントワネットのヴェルサイユ宮殿での一挙一動を、彼女の母君マリア・テレジア女帝に詳細に報告していた、元駐仏オーストリア大使メルシー伯爵。1789年にフランスで革命が起きると、ベルギーに逃れ、そこで王妃の兄、オーストリア皇帝ヨーゼフ2世の代表を務めます。

マリー・アントワネットはチュイルリー宮殿に幽閉されている間の1791年1月、亡命後の事を考えて、数点のジュエリーをメルシー伯爵に託したのです。ダイヤモンドのブレスレットはそのひとつ。革命の間にヨーゼフ2世は世を去り、王妃も処刑され、その間、メルシー伯爵は預かっていたジュエリーを厳重に保管していました。

時が経ち、いまわしい革命が終り、ただひとり生き残ったマリー・アントワネットの娘マリー・テレーズが、1795年に釈放され、翌年、母の母国オーストリアに迎えられます。それを知ったメルシー伯爵は、亡き王妃から預かっていたジュエリーを届け、マリー・テレーズはそれを身に付けていたと記録されています。

母の形見のダイヤモンドのブレスレットを付けた
マリー・テレーズの肖像画。1816年。


マリー・テレーズは結婚をしたものの、子供に恵まれず、甥や姪に母の形見のジュエリーを贈与。ダイヤモンドのブレスレットは姪のパルム公爵夫人が受け取ります。そのブレスレットはふたつあり、一つにまとめてネックレスにも出来る精巧な加工で、合計112個のダイヤモンドを使用。小さいダイヤモンドは1カラット、大きいのは2カラット。この豪華極まりないジュエリーをクリエイトした宝石商は、「首飾り事件」で一躍有名になったドイツ人、ベーマー。マリー・アントワネットが王妃になった2年目に、オーダーした作品です。

ドイツ人宝石商ベーマー。
「首飾り事件」で世間に名を知られるようになる。

このように、たくさんの逸話があるジュエリーが11月に競売されるのだから、今から大騒ぎ。特にフランス人の興味は大変なもの。でも、それを買うフランス人は、多分、いないだろう、もしかしたら美術館が、いやいやそんな予算はないはず、中近東のお金持ちとか、フランス王家に並々ならない関心を抱いているアメリカ人の可能性が強いなど、話題は尽きない。

2021年9月10日

蜷川実花さん、パリでエキシビション

ヴァン クリーフ&アーペルのジュエリーと、個性的な色彩感覚の持ち主の写真家、蜷川実花さんのコラボレーション展覧会を、現在パリで開催中。

夢幻の境地へ誘う「フローラ」展。


この、花をテーマとした「フローラ」展の会場は、ヴァンドーム広場のオテル・デヴルー。18世紀に、高位の貴族が建築させた邸宅で、今なお瀟洒な趣を保っている貴重な建造物。

ヴァン クリーフ&アーペルは、創立以来ずっと、自然が創造する美をジュエリーで表現している比類なきメゾン。特に、花々が瞬間的に見せる美しさをとらえ、貴石で永遠に続く命を与える才知は、世界中で絶賛されています。

驚異的な才能を持つ蜷川実花さんと田根剛さん。
日本が世界に誇るお二人。


そうした稀有なメゾンの、1920年代から現在までの代表的作品100点以上が、蜷川実花さんによるインパクトある写真と相まって、幻想的な世界をクリエイトしている展覧会。この画期的な「フローラ」展のセノグラフィーを担当したのは、パリに拠点を置く、多彩な才能の持ち主の若き建築家、田根剛さん。

現実から離れ、幻想的で華麗な世界を体感できる夢のような空間。

実花さんの写真と、
ヴァン クリーフ&アーペルのジュエリーが織り成す展覧会は、
感動に身が震えるほどインパクトがあります。

ジュエリーがさらなる輝きを放ちます。

ジュエリーの正面だけでなく、両サイドや裏側も見える鏡の起用は、
非凡な建築家田根さんの発案。


展示会場に入ると、そこは、非現実の世界。ヴァン クリーフ&アーペルのジュエリーと、蜷川実花さんの色彩豊かな写真が、大きな鏡と動き回る光の中で、時には触れあい、時にはたわむれあい、まるで、大きなカレイドスコープのよう。本当に地上にいるのかと思うほど、ドラマティックで甘美。

ライトが付いたり消えたりし、それが会場の雰囲気を盛り上げます。


歩を進めるたびに、新しい世界の扉が開かれ、花が咲き誇る夢の庭園が終りがないように続いている。次々に展開する未知の世界の不思議さに引き込まれ、先へ先へと行きたい衝動にかられる前代未聞の空間。実際には存在しない、現実からほど遠いユートピア。

パリに、突然、姿を現したこの花園は、大きな感動を生み、いつまでも消えることがない強烈な印象を刻むはず。

9日朝、この展覧会に関する記者会見があり、ヴァン クリーフ&アーペル社長二コラ・ボス氏、蜷川実花さん、田根剛さんから詳しいコンセプトが発表され、引き続き会場見学があり、その後はレストランKEIでランチ。3つ星に輝くKEIは「フローラ」展にちなんだ花のテーマや、花をあしらった絶品ばかり。

爽やかで気品ある卓上の庭園。このまま取って置きたい。

リニューアルした清美なレストランで、幸せそうな微笑みを浮かべる実花さん。



豪華なランチの後は、ヴァンドーム広場のヴァン クリーフ&アーペルで、ナンと、ジュエリーのトライアル。しかも実花さんの写真と一緒の記念撮影まであり、もう、夢のよう。
ペンダントとブローチをつけていただいて、大はしゃぎ。

現実世界をはるかに超える一日の終わりは、植物園でソワレ。ここでのビュッフェも3つ星シェフによる、絶品ばかり。パリで数多くのビュッフェを経験しましたが、いまだかつて、これほどの美味は初めて。しかもベンツの送り迎えまであったのです。

5区の植物園で。
実花さんデザインのマスクをいただいて、幸せいっぱい。
服装もオリジナリティーがあり、
私には、実花さん自身が現実離れした妖精のように思えます。

ライブもあり、ソワレは暗くなっても続きます。
全員「衛生パス」持参なので安心。

9月9日は、蜷川実花さん一色に彩られた忘れえぬ一日でした。

実花さんからいただいた、貴重なオリジナルマスク。

「フローラ」展

Hôtel d'Evreux

19 Place Vendôme

75001 Paris

要予約 2021年11月14日まで

2021年9月7日

マスクでオシャレも楽しい

 マスクがすっかり定着しているパリ。いろいろなモチーフのマスクもあるけれど、無地が一番人気。

夏は白とブルーが圧倒的に多かったけれど、秋の気配が感じられるようになった今は、黒が首位を保っている。黒マスクはとてもシックでパリにぴったり。目元が強調されて、個性的な雰囲気が出る。男性の黒マスクは、何となく知的に見えるし、黒のジャケットを着て、さっそうと歩いている姿は, 未来が確約されているエリートのよう。

愛用している4色のマスク。

私は4色のマスクを服に合わせて選んでいるけれど、これが結構楽しい。ピンクのマスクは少女になったようで心が躍るし、黒いマスクをすると、ミステリアスな大人の女性になった気分。マスクの色によって、歩き方まで影響される。

コロナ対策のために、マスクは今後もずっと使うけれど、こんな小さな布で、自分が別人になったように感じるとは思っていなかった。新しい発見です。

2021年9月4日

オリンピックの旗、パリ市庁舎でひるがえる

 東京オリンピック閉会式で、夏季オリンピックの旗を受け取ったパリ市長アンヌ・イダルゴが、パリに戻ったのは8月9日。この日から、五輪の旗がパリ市庁舎ではためき、2024年のパリ・オリンピックへの情熱を掻き立てています。

パリ市庁舎で誇らしげにはためく五輪旗。


パリで夏季オリンピックが開催されるのは、ナンと100年ぶり。それだけに、熱意も半端ではない。近代オリンピック創立者が、フランス人ピエール・ド・クーベルタン男爵であるから、なおさら。

「近代オリンピックの父」ピエール・ド・クーベルタン男爵。


クーベルタン男爵が近代オリンピックを発案したのは、1892年11月25日。それが実現されたのは1896年で、古代オリンピックが生まれたアテネで開催。世界大戦で開催されないこともあったけれど、世界を結ぶスポーツ競技が続いているのは、本当に素晴らしい。


5つの輪、5つの色で表わされる5輪マークもパリ市庁舎前に。

1924年7月5日。パリ・夏季オリンピックのオープニング・セレモニー。


クーベルタン男爵は五輪マークの発案者でもある。白地の上に、赤、青、黄、緑、黒の5色の輪を描くと、5大陸の国々の国旗を表せると1913年に発表。この5輪旗が開会式で使われるようになったのは、1920年のアントワープの第7回オリンピックから。それから4年後の1924年に、パリで夏季オリンピックが開催され、それを最後に、ピエール・ド・クーベルタン男爵は国際オリンピック委員会会長の座を離れました。

オリンピックマークと旗を近くで見て大感激。2024年が待ち遠しい。

2021年9月3日

長いヴァカンスが終り、賑わうパリ

 フランスの夏のヴァカンスは、7月にとる人、8月にとる人と、大きくふたつに分かれ、9月は日焼けした顔で、ヴァカンスどうだった? という挨拶で始まる。仕事も学校も、みな、9月上旬から通常通り。

その9月に入り、パリが一挙に賑わい、特に、ランチタイムのレストランがすごい。「衛生パス」という、ややっこしい決まりがあるにもかかわらず、どこもすごい人、人、人。場所が足りなくて、メトロの入り口の周りにさえ、テーブルが置かれているほど。本当に、みな、「衛生パス」を持っているのかしら、と疑いたくなるほどの人出。

「衛生パス」が必要なのにもかかわらず、レンチタイムのレストランは
すごい賑わい。メトロの駅の周囲までも、ご覧の通り、テラス席が占領。

ただ高級レストランは、利用者が少なく、結構、大変みたい。星付きレストランはツーリストがほとんどなので、まだまだ、時間がかかりそう。ツーリストと言えば、デパートも同じで、50%は外国のお客さまなので、それがコロナでパリに来る人が少なく、それだけ経営が厳しいと、デパートのディレクターのお話。「衛生パス」やマスクのチェック、消毒液で手を洗うのだから、そこまでして行く気にならないのは、よくわかる

これが数年続いたら、デパート倒産があっても不思議ではない。

2021年8月30日

いつものパリが戻ってきたみたい

今年はフランス国内でヴァカンスを、と政府がすすめ、割とそれを素直に受け入れたフランス人が多く、ちょっとびっくりしたり、感心したり。コロナから身を守るためです。

そのお蔭で、フランスの海辺や山のホテル、レストランは大繁盛。キャンプ場も、ほぼいっぱい。例年より業績がいいそう。それに比べてパリはツーリストも少なく、大赤字。でも、ゆっくりと以前のパリを取り戻している感じ。

パリで結婚記念写真を撮るのは、誰もが憧れること。
以前は中国人が多かったけれど、今年はヨーロッパの人がほとんど。

ぴったりドアを閉めていたお土産屋さんも、徐々に開いてきました。


そうした中で、
「衛生パス」反対、ワクチン義務化反対のデモは、毎週土曜に繰り返されている。

ワクチンが義務化しつつあり、それに反対するデモは土曜日に行われているけれど、毎回参加する人数は減っている。ワクチンを打たないと仕事を失うし、レストランにもカフェにも入れない生活など耐えられないから、政府が決めたことに従わざるを得ない。当初は、強硬だと思っていたけれど、この案は、結局、コロナから身を守るためにいい、と思うようになった人が増えているのは事実。

久々にイタリアレストランの前を通ったら、
仲良しの看板娘、ブランカちゃんがいて、とっても嬉しかった。
彼女はあまり、喜んでいなかった、というより警戒心が強かったみたい。
これからは、以前のようにこの前を通るのが楽しみニャ。

2021年8月25日

パリの犬たち 251

 髪の毛の色が気になる


「〇〇ちゃん、久しぶりだね。元気そうだけど、ナンか変」
 
「やっぱり、似合わない? これ、ママンの好みなの」
「ネ、〇〇ちゃんのママン、どうして急に〇〇ちゃんのヘアがブルーになったの?」
 
「ヴァカンスをフレンチ・リヴィエラで楽しんでいたの。
あそこの海がとってもキレイなブルー。それに合わせて同じ色にしたのよ。
パリではちょっと目立つけれど、秋になったら、秋に合うカラーにするの」
「ワタシのママンは個性的なオシャレが好きなの。
このアニマル・モチーフのトップスも変わっているでしょ。
ママンと一緒に歩いていると、たくさんの人が振り返って、
ちょっとセレブ気分だワン」