2010年10月26日

マリー・アントワネットの自動人形

マリー・アントワネットの自動人形
ヴェルサイユ宮殿で科学に関する展覧会があると、招待状を受取っていたのですが、中学生の時から科学も物理も数学もお手上げ状態。まったく興味がなかったのです。そのために、招待状もほったらかし。

ところがその展覧会に、マリー・アントワネットが持っていた自動人形も展示と新聞で読み、突然、気が変わった私。コンコルド広場に迎えに来てくれたバスに乗り、心躍らせながら、ヴェルサイユ宮殿へ。

9999年まで作動する時計
1750年作
招待日は休館の日なので、私たち約60人ほどだけ。しかも展覧会総責任者の解説つき。
そうした恵まれた環境の中で、ゆっくりと有意義に観賞。

ルイ14世の時代から、ヴェルサイユ宮殿はさまざまな科学の研究の場であり、実験の場であり、デモンストレーションの場であったそう。資金もたっぷりあったわけですから、
今に時代のように研究費不足などということもなく、気ままに研究ができ、そのために素晴らしい発明があったのです。

ルイ14世の時代に
「鏡の回廊」で電気のデモンストレーション
例えばルイ14世の時代に、庭園の無数の噴水や池のために、遠方から水を運ぶ装置の発明もあったし、天文学も発達。電気のデモンストレーションを「鏡の回廊」でしたこともあります。

ルイ15世の冶世には、何とエレベーターの先祖まで生まれ長方形の箱の中に細長い椅子があり、のぼったりおりたり。そのために「飛ぶ椅子」と呼ばれていたのです。

ルイ16世の子供たちの
教育のために作った地球儀
ルイ16世の時代にはモンゴルフィエールが発明した熱気球が、ヴェルサイユの空を飛びました。その時気球に乗ったのは宮殿の庭園でかっていた羊と、アヒルと鶏。無事に使命を果たした動物たちは、その後も庭園で幸せな日々を送ったそう。

私の最大の興味の対象の、肝心のマリー・アントワネットが持っていた自動人形は、期待を裏切らない素晴らしい装置。ブロンドの気品あるご夫人が、真鍮線を張ったチンバノンを奏でるのです。マリー・アントワネットに似ているそのご夫人は、ときどき頭を動かしたりしながら、きゃしゃな手に持つ木槌を動かして音楽を奏でるという、精巧極まりない作品。聞こえてくるのは、勿論、バロック音楽。

それを楽しんでいたマリー・アントワネットは、後にパリの博物館に寄贈。そのために革命を逃れたという貴重な自動人形は、いわば、ロボットの先祖。いろいろと悪口を言われるマリー・アントワネットですが、後に役立つこともしていたのですネ。

1783年9月19日に
ヴェルサイユの空を飛んだ熱気球

コーヒーやマカロン、ケーキもたっぷりいただいたし、やはり行ってよかった。

2011年2月27日まで開催。