2014年9月25日

ルーヴル美術館とDNPのコラボレーション

古代ギリシャの傑作
「アンタイオスのクラテル」と
手前に置かれたディスプレイ。



美術作品とそれを観賞する人との間につながりを生む、DNP(大日本印刷)が開発した画期的観賞システム。それによってルーヴルの作品の見方がかわるのだから、日本の技術は素晴らしい。

ルーヴル美術館におけるDNPとのコラボレーションが始まったのは2011年のこと。
それ以降、毎年対象とする作品を変えながら実施され、訪れる人々に驚異の目で見られています。

今回の対象になっているのは古代ギリシャ・エトルリア・ローマの作品。

そこに設置された観賞システムは、重要なポイントや歴史的背景、逸話などをわかりやすく教えてくれるので、楽しみながら多くを学ぶことができるのです。それによって、同じ作品でも見方が変わってきます。


観賞システム導入で
活性化された古代ギリシャ展示室
これこそ現代に即した新たな美術観賞。

例えば、ギリシャ彫刻を展示している部屋に設置された観賞システムのディスプレイは、手でそっと触れることによって、ギリシャの神々の見分け方が画像ではっきりわかるし、詳細を知りたければその部分をタッチすると拡大される。

子供たちも簡単に操作でき、このようなテクノロジーがあることに驚き、それを操作する喜びを味わい、歴史的傑作と自分の間に強いつながりがあることを体感し、親しみを感じることができる。

美術品に大きな興味を持っていなくても、このシステムにより親近感を抱けるのは重要なこと。

ルーヴルが美術品を展示しているだけではなく、テクノロジーも採用し、常に新たな動きを示していることはフランス人にとっても大きな誇りに違いない。
DNP常務取締役北島氏。
時代の変貌に従って美術品の鑑賞の仕方も変わる、
世界に誇れるDNPの観賞システムです。

鈴木駐仏大使、DNP常務取締役北島氏、ルーヴル美術館副館長、パリ駐在の日本企業代表
などが一同に集まっての9月24日のオープニング・セレモニーは、美術館内のコンテンポラリーな装飾のレストラン、ル・グラン・ルーヴルで行なわれ、現代に合った日仏文化交流をお祝いしました。

ルーヴルが過去の傑作を展示しているだけでなく、「今」との強いつながりを持っていることを示すDNPの観賞システム。新たな息吹をルーヴルに吹き込んだと言えるでしょう。

このシステムが更に増え、美術への関心と知識が増えることは有意義なこと。来年はどのような発見、驚きを経験できるか今から楽しみ。