2014年9月1日

OECD東北スクールがパリから発信する熱い思い

東北地方一色のシャン・ド・マルス

お揃いのTシャツ姿で
若々しい笑顔の生徒たち。
テーマソングを大合唱。

地震と津波の被災地、福島、宮城、岩手の中学生と高校生が約100人が参加するOECD東北スクール。

彼らが2年半かけて準備した、東北の復興と魅力を世界に向けて発信するイヴェントを、
いよいよパリで開催。

「東北復幸祭」と呼ばれるこのイヴェントは、
パリの象徴エッフェル塔が美しい姿を見せる
シャン・ド・マルス広場が会場。
フランス人に、
そしてまた世界にアピールするのに絶好の場です。

地震が起きた時刻を表す時計。
その周囲に多くの人から寄せられた
激闘の言葉が見られます。


8月30日11時に始まったオープニング・セレモニーでは、パリ副市長、OECD日本大使児玉和氏らのご挨拶があり、その後はスクールの子供たちによる東北地方のアピール。

大災害に見舞われたにもかかわらず、それに打ちのめされることもなく、小さな力を振り絞って明るい未来を築いていこうという生徒たち。

彼らのけなげな、けれども、しっかりした態度は、パリ市民の心に強く訴え、大きな感動を与えたのは確かなこと。
このイヴェントの企画も実行も中心となったのは生徒たち。それだけに心を動かされます。

舞台の横手には大きなスクリーンが置かれ、無慈悲な津波と、日本がいまだかつて経験したことがない被害が映し出され、もう何度も見た場面であるにもかかわらず、やりきれない思いです。心を痛めないではいられません。
津波に流されたけれど
奇跡的に見つかった
祭事用兜。
シャン・ド・マルス広場には、空に向ってブルーのバルーンがいくつもあげられていて、それが津波と同じ高さだとの説明を聞いたときには、そのあまりの凄さに驚きが走りました。
その隣りの赤いバルーンは子供たちの希望や情熱の表れ。津波に負けない高さです。

巨大なドミノを押し倒して津波の恐ろしさを目の前で見せ、すべてのドミノがひっくり返ったときには、イヴェントのシンボルマークになるパフォーマンスも生徒のアイディア。

オープニング・セレモニーは、OECD東北スクールのテーマソングの大合唱と、出演者と出席者全員が肩を組んで作る大きな環で終わりました。

30日と31日の二日間にわたるパリでのイヴェントでは、東北の伝統芸術や民芸品、食料品などを紹介し、この地方が再生に向って力強く歩んでいるのを伝えます。
生徒たちによる踊りを2日間披露。
豊富な演目と楽しい衣装が大好評。


様々なブースでの説明に熱心に耳を傾け、映像に見入っているパリジャンの姿を見ていると、「大丈夫、みんなが応援している」と、心強くなります。

セレモニーの翌日は日曜日。好天気に恵まれ家族連れが目立ち、小さな子供も学ぶものが多かったことでしょう。いくつものキャラクターの登場はひときわ華やぎを放ち、記念撮影希望がひっきりなし。舞台では楽しい衣装で様々な踊りを次から次へと披露し、大喝采を受けていました。

大人気のキャラクターがおいでおいでと
短い手で誘うので、一緒に記念撮影。

そうした傍らには、大震災が発生した時刻を示す大きな時計が置かれています。忘れてはいけない時刻です。当時の写真や、その後の復興の様子を表す写真も多数展示されていて感動的。
東北地方の住民への思いやりが生まれるコーナーです。

世界中の人々が手を取り合って作りたい、平和の願いを込めた「環」。
その熱い願いが空高くのぼり、空から空へ、そしてもっと遠くの空まで届きますように。