2019年1月16日

メトロの駅名は語る 112


Miromesnil
ミロメニル(9、13号線)

ルイ16世の大臣、ミロメニル侯爵にちなんだ駅名。

ルイ16世の時代の法務大臣、ミロメニル侯爵
(1723-1796)

優れた法律家でルイ16世の時代に法務大臣になったミロメニルですが、革命がおきる2年前に辞職し、ノルマンディー地方で引退生活を送ります。

1789年12月29日に開催された名士会。
ミロメニル侯爵はこの会に出席するほど国王から信頼されていました。

国王に仕えていたために革命時に捕まり一時期監獄ですごします。その後ノルマンディー地方の故郷に落ち着きますが、温厚で人情味が深いミロメニルは、医者やパン屋などを住まわせ住民のために貢献していました。恵まれない人々のために遺産も寄付したほど、心優しい人物だったのです。

72歳の生涯を閉じたのは16世紀に建築されたミロメニル城で、人柄がよく貧しい人の味方だったために、彼の城は革命家の略奪を逃れたのでした。その後持ち主が何度かかわり、フランスの文豪モーパッサンが1830年8月5日にこのシャトーで生まれています。

ミロメニルの名前はエリゼ宮殿近くの道路にも残っていて、マリー・アントワネットが心を寄せていたスウェーデン伯爵フェルセンが暮らしていた邸宅が31番地にあり、今でも残っていまが、現在工事中。あまり変わらないことを期待しているのですが、どうなるでしょう。

フェルセンが一時期暮らしていた邸宅。
ミロメニル通りに面した部分。

中庭とその奥の建物。
フェルセンがどちらの建物に暮らしていたかは不明。



フェルセンがこの邸宅に暮らしていたのは、革命が起きた1789年だったとされています。その後この近くのマティニョン大通りの館に移ります。そこで国王一家の逃亡の計画を練っていたのですが、残念なことにその建物は当時の面影はまったくなく、画廊になっています。