2020年4月16日

夜空に鳴り響いたノートル・ダムの鐘の音

毎晩8時にフランス各地で住民が窓辺に立って、コロナウイルスと戦う医療従事者に感謝の拍手を送っていることは、すでにブログでお知らせしましたが、それは4週間経った今でも続ています。外出禁止令がさらに延長され5月11日まで続くと、4月13日、テレビを通してマクロン大統領から正式に発表があり、コロナウイルスの厳しい現状が国中に伝えられました。

こうした中で昨夜8時、ノートル・ダム大聖堂の鐘が鳴り響きました。昨日4月15日は、ノートル・ダム大聖堂が大火災にあって1年目だったのです。多くのパリ市民が窓辺で拍手を送る時間に合わせて、マスク、手袋、防護服に身を包んだひとりの男性が、奇跡的に火災を逃れた鐘楼に入ってゆっくりと鐘を打ち鳴らしました。パリの空高く上るその音は重厚で、落ち着きがあり同時に力強く、心に沁みる音色でした。

一年前の火災の翌日、ノートル・ダム大聖堂に駆け付けました。
凛とした姿を保っていた鐘楼に安堵したのを思い出します。

この鐘の音にコロナウイルスに共に打ち勝とうと団結心を新たにした人がいるでしょうし、必ず勝つと希望を抱いた人も多数いるでしょう。12世紀からパリ市民を見守っている聖母マリアさまに捧げられているノートル・ダム大聖堂。その鐘の音にはそれぞれ格別の思いがあるのです。