4月1日のエイプリルフールを、フランスでは poisson d'avrilと言います。直訳すると「4月の魚」。
7世紀から1564年まで、新年は聖母マリアの受胎告知の日である3月25日に始まり、お祝いを4月1日まで続けていました。それを変えたのは、国王シャルル9世でした。
1564年、自分の国をしっかり把握するために、母と宮廷人に伴われながら各地を旅し、リヨンに滞在する予定だった夏に、ペストが流行しているとの情報が入り、急遽、そこから50キロほどの距離にあるルシオンのシャトーに向かいます。そこでさまざまな会議がおこなわれ、その際に新年の見直しがなされ、1月1日となったのです。当時、国王は14歳で、母カトリーヌ・ド・メディシスが実権を握っていました。この新年の変更は1564年8月9日に決定し「ルシオンの勅令」と呼ばれます。
シャルル9世(1550-1574) |
ルシオンのシャトー。左の建物。 |
4月1日のエイプリルフールをフランスで「4月の魚」と呼ぶのには、いくつかの説があります。
キリスト教の四旬節に近く、肉を食べられないので魚を食べていた、という説。
この時期は魚の繁殖期で漁が禁止されていて、魚の絵を描いて「釣れた」と自慢したり、だましたりしていた、という説。
星座のうお座が近いからという説。
4月1日の新年をあきめられなかったり、反対する人が、以前と同じように魚を食べて「偽の新年」を祝っていた説。
19世紀には、魚の絵ハガキを贈る習慣があったし、それ以降は、魚の絵を描いて、他の人の背中にはりつける子供の遊びもあったようですが、現在は何もしないことが多い。ただ、カラフルな魚のチョコレートやクッキーを、スイーツの店頭で見かけることはあります。
オシャレな色合いのチョコレートのお魚。 |
色鮮やかな魚が、巣から飛び立つような演出。 これがすべてチョコレートなのです。 |
チョコレートサーディンの詰め合わせもあります。 |
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