2014年1月26日

オランド大統領、ヴァレリー・トリエベレールと離別


「やはり」といった感想が多い、大統領とヴァレリー・トリエベレールの離別です。この発表があってすぐに、道行く人々のコメントをテレビが報道していましたが、ほとんどの人の反応は冷静なもの。

「自分にはまったく関係ないこと」
「大統領といえども人間。長い人生にはいろいろあるもの」
「いいじゃないですか、それだけ彼も若い証拠。自由バンザイ。フランスバンザイ」

パートナーが大統領になってからも、ジャーナリストの仕事を続け、経済的にも精神的にも自分の世界を保ち続けていたヴァレリー・トリエベレール。それでいてファーストレディの役目もこなしてきたのですから立派です。私から見ると、彼女は典型的な知的なフランス女性。どこまでも自分を持ち、信念を崩さず、すべきことを活発にこなしながらもお洒落にも気を配る。だから、フランス女性はいつまでも魅力的なのです。
見習いたいことのひとつです。

フランソワ・オランドのお相手はセゴレーヌ・ロワイヤル、ヴァレリー・トリエベレール、ジュリー・ガイユと世に知られているのは三女性。彼女たちはこぞって美しく、理知的で、情熱を捧げる仕事を持っている。
これほどの女性が揃ってフランソワ・オランドに夢中になったわけだから、彼は女性を魅了する何か素晴らしいものを備えているのでしょう。最近は彼の写真に見入りながら、何が彼女たちの心をそれほどとらえたかと、自分なりに分析しようとしている最中。

ヴァレリー・トリエベレールは前々から予定していた慈善活動のためにインドに旅立ち、フランソワ・オランドは大統領の職務に集中する。

今後は何事もなかったように人々は自分の生活を続けていくのです。

2014年1月24日

ル・ムーリス アラン・デュカスで絶品を味わう


婦人画報編集長、出口由美さん
パリの真っ只中にあるパラス・ホテル、ル・ムーリス内のレストラン、「ル・ムーリス アラン・デュカス」は、さすがフレンチの巨匠ならではの逸品ばかり。見た目も美しいし、一口味わっただけで、体中の細胞が大喜びしているのがよくわかるほど。

ノーブルなインテリア
素材の選択、アイディア、熟練の技が相まって生む一品一品が、まさに芸術。
フランスが世界に誇る歴史ある文化であることを心から納得。

レストランの装飾もまた素晴らしく、ヴェルサイユ宮殿の「平和の間」をイメージした息をのむほどの豪華さで、王妃とはいわないまでも、貴族夫人になった錯覚を起こさせるほど典雅。
黒服に身を包むイケメンが、微笑を浮かべながら丁重に接待してくれるのですから、いつまでもそこにいたいほど居心地がいい。

中央にはフィリップ・スタルクによるクリスタルの大きな装飾があり、一角にはワインカーヴもある。窓の外にはチュイルイ公園が広がっている。いうことなしです。

3種類のチョコレートのデザート
オードブルは帆立貝と黒トリフ。これがまた素晴らしく、温かいのと冷たいのと2種類。
メインは出口さんが子羊で私は舌平目。
さらにチーズを3種類ずつ。
シャンパン、白ワイン、赤ワインとドリンクもそのたびに変わります。
その後のデザートはおすすめのチョコレート。これがまたまたびっくりで、3種類も出てくるのです。
驚きはそれで終わらず、ハーヴティーを頼んだら、何とワゴンに本物のハーヴをのせてきて、どれにしますか、ですって。
すごいですね。

すべてが洗練されていて、パリをしっかり体感させてくれるレストランです。
チャーミングな出口由美さんとの忘れえぬディナーで
おしゃべりがはずみ3時間半もの楽しいときを過ごした1月23日のことでした。

様々なハーヴをワゴンにのせてくる演出がステキ。
新鮮な香りが舞い上がり心地よさ満点

2014年1月23日

大使公邸での新年会

鈴木庸一大使と隆子夫人

恒例の日本大使公邸での新年会は、ご無沙汰している方々との再会のうれしく楽しいひととき。今年は1月22日。

鈴木庸一大使と隆子夫人にひとりひとり新年のご挨拶をし、
招待された人々が揃ったころを見計らって、大使の年頭のお言葉。金屏風の前に飾った日の丸の旗が、一段と輝いて見える瞬間です。若々しくユーモアのあるご挨拶に、出席者の顔が思わずほころびます。

その後大使のイニシアティヴで、グラスを持ってカンパイ。

「新年おめでとうございます」
「ご無沙汰しています。お元気ですか」
「相変わらずのご活躍、いいですね」
などなど挨拶が飛び交い、待ちに待った和食を味わう幸せタイムが始まります。

今年は着物をできるだけ多く着ようと新年に決めたので、
この日もがんばって一人で着付け。
和服はやはり注目されます。
着物はそれだけで国籍を語る素晴らしい文化なのですね。
お正月の着物は特に精神の引き締まりを感じていい。
右はピアニスト岡崎順子さん
左は照明デザイナー石井リーサ・明理さん
和食が無形文化財なら、着物は? などとひとり思い込んだりもしました。

おいしいお料理もたっぷりで、皆、うれしそう。和食はやはり日本人の胃と体にぴったりあっている。大使公邸のはきっとパリ一の美味でしょう。おいしいです。

今年も自分なりに最高の年にしたいというパワーを
たくさんいただいた日です。

2014年1月20日

オート・クチュール ディオール文化の普及

ディオールを含む名立たるデラックス
企業を傘下に持つ
LVMH会長アルノー夫妻と
左はシラク夫人

暖冬でよかったと思っていたら急に冷え込んできたパリ。
でも、待望のディオールのショーに出席できる喜びで、寒さも一挙に飛び去ります。
毎回期待を膨らまさせ、それを裏切ることがないメゾンであるだけに興味津々。

招待状を受け取って会場がわかった時点で、何を着ていこうかといつも悩むのですが、何しろ寒さから身を守るためにコートを着るのは当然。

それを脱がない限り、中に何を着ても構わないのかもしれないけれど、女心は複雑で微妙。見えなくても、あるいは、見せることがなくてもおしゃれしたいのです。これは精神に非常に重要なことなのです。

ラフ・シモンズが主任デザイナーになって、すっかりディオールのニュー・スタイルが定着した感じ。シャープで、構築的で、知性の煌きもある。今回の2014年春夏コレクションは、不必要な装飾をすべてはぶいた究極のピュアなエレガンス。品格ある若さ、軽やかさ、女性として生まれたことに感謝したいほどフェミニンな作品ばかり。年に4回創作するコレクションが、創立者ディオールを継承しつつ、同時にラフ・シモンズであることは、たやすいことではない。でも彼はそれをこなしている。立派です。

彼も立派だけれど、今回、世界のファッション学校16校から選抜した生徒を招待したメゾン・ディオールは、もっと立派。アメリカ、ベルギー、イギリス、イタリア、中国、日本などから幸運にも招待された生徒たちは、極秘のオートクチュール
のアトリエ訪問と、ショーへの出席。夢のようなひとときを過ごしたのです。

メゾン・ディオールの意図は、フランスが誇るファッション文化を、その本場で若者たちに体感して欲しいということなのでしょう。
この貴重な体験は、今後の彼らの重要な糧となり励みとなること間違いなし。
さらに、ファッションの中心がパリにあることもしっかり認識するはず。

停滞していた戦後のファッションに新たな息吹を吹き込み、再生させ、ファション界を活性化させ
たディオールは、今、また、新たな境地を開いているのです。
これからの時代を背負う若者たちにディオール文化の洗礼をほどこし、感性に訴え、磨きをかけ、意欲を与え、新たな創作に挑む支援を惜しみなく提供するメゾン・ディオール。

何てすばらしいこと!!
ファッションの未来が大きく開かれ、限りなく発展していくような期待感が生まれます。

それにしても今日のコレクションの後味の何と爽やかでいいことか。
世界中に平和が漂っているように幸せでした。

ロダン美術館で開催された
ディオール2014年春夏コレクションのデフィレ

2014年1月18日

「宝石商の王」カルティエ社長主催のディナー

グラン・パレの一角にある
レストランがライトアップで
ひときわゴージャス

グラン・パレで開催中の「カルティエ、スタイルと歴史」展を記念して、
カルティエ社長が世界のジャーナリストをディナーにご招待。グラン・パレの一角にある、おしゃれなパリジャンが好むレストランに100人以上集まり華やかなこと。外壁をカルティエのシンボル的カラーの赤でライトアップしたのは、さすが。卓越した美的感覚が息つくパリならでは。

それを見ただけで大きな期待を抱かせワクワクします。
通常は多少遅れ気味に集まるのに、この日は時間通りに招待客がほぼ全員着飾って集合。それは期待感がいかに大きいかの何よりの証拠。

カルティエ社長の卓越した挨拶に
聞き入るひととき
極上のシャンパンで雰囲気が盛り上がった頃を見計らって、社長の英語での挨拶。要領を得た簡潔で流暢な挨拶は、さすが会話がひとつの芸術になっているフランスならでは。 挨拶はかくのごとくであって欲しいという見本のように爽やかで、心地よい。

カルティエのアーカイヴ責任者
ミッシェル・アリアガ
通常、長々と自分の宣伝を交えた演説が多いのですが、久しぶりの爽快な挨拶でシャンパンの味がさらに甘美になります。食事が進む中、再度頃を見計らって社長自ら各テーブルをまわり、「ようこそパリへ。楽しんでいただいていますか?」と気軽に声をかけるのは、粋なパリジャンならでは。遠方からパリに着いたばかりの人も多いのに、最後まで話題豊富な楽しいひとときを満喫。

メルシィ カルティエ♪♪♪

2014年1月15日

大統領のプライバシー


今、世界の大きな関心はフランス大統領に集中しているようです。
ゴシップ記事専門の雑誌が、オランド大統領が愛人の住まいに頻繁に通っていると暴露したためです。

フランスではこうしたケースは非常に珍しく、大統領といえども私生活があるとそれを尊重して報道を避けていたのですが、今回は写真入りで7ページの特集というのだから驚く。

相手が女優ということもあり派手な報道になったのでしょうが、
80パーセント近くのフランス人は、
大統領の私生活に無関心と統計が出ています。

この数字はフランス人が大人だという証拠か、あるいは、権力者に愛人がいるのは当然と歴史が示しているので、それに馴れているのかわからないけれど、問題は、今後一体誰がファーストレディになるか。
アメリカ訪問も控えているし任期がまだ長いので気になります。

それにしてもオランド大統領は美人好みです。同居中のヴァレリー・トリルベレールも愛人のジュリー・ガイユも、ブロンドがよく似合うとてもステキな人。パリジェンヌならではのおしゃれ上手な女性なのです。

ヘルメットを被ってスクーターで彼女のアパルトマンに行くなど、
青春を楽しんでいるようでほほえましく思えないこともない。

このように私も複雑な気持ちです。

2014年1月11日

話題の映画 「イヴ・サンローラン」


イヴ・サンローランが亡くなって今年で6年目。
その間にサン・ロック教会での追悼ミサ、
バスティーユ・オペラでの彼に捧げるクラッシク・コンサートが二度あり、
そのすべてに出席させていただき、記憶から消えることのないイヴ・サンローラン。

今、彼の映画が上映中で大変な評判。
主役を演じるのは演技派の若い青年ピエール・ニネイ。
コメディ・フランセーズの俳優で一般に名が知られていないだけに、
新鮮でかえっていい。

インターコンチネンタル
(現在のウエスティン)ホテルの
「ナポレオン3世のサロン」が
ショーの会場でした。
ほっそりした体、細面で品があり神経質そうな表情もサンローランそのもの。
役をこなすために数ヶ月かけてデッサンのレッスンを受け、布地の触り方、扱いかたも学び、人に会うことも極力さけ本人になることにひたすら専念。

その結果、サンローラン育ての親とも言えるパートナー、ピエール・ベルジェを感動させ涙を流させたほどの作品になったのです。

稀にみるモードの天才の息吹が画面から放たれる、
見ごたえある映画です。
華やかな世界の裏がいかなることかも伝わるでしょう。
厳しい世界なのです。
日本でも上映されるといいですね。

オートクチュールのコレクションが
もうじき始まる季節のパリにふさわしい出来事です。

毎回ショーにご招待していただき、
夢のようなひとときを過ごさせていただきました。
敬意を払ってサンローランの服で出席です。

2014年1月6日

ガレット・デ・ロワ

8人用のガレット・デ・ロワ
フェーヴはいずこに?
クリスマスに麗しい姿を見せつけるケーキをいただいて、体重を心配していた直後に、今度はお正月のお餅。焼き海苔をまいたり、お汁粉にしたり、そのどれもおいしくて止められない。
と思っていたら、
またまた抵抗しがたいケーキの日が到来。


キリスト生誕の祝福に駆けつけた
東方の三博士
そうです、1月6日はガレット・デ・ロワの日。年末から売り出すお店が多く、その前を歩くたびに顔をそらせてガマンしてきたけれど、やはりお祝いだから食べなくてはと、フランスと日本のお祝いをすべてこなすこの忙しさ。

キリスト生誕を東方の三博士がお祝いしたこの日を記念して、パイ生地の中にフェーヴが隠れているケーキをいただくのです。
切ったパイの中にフェーヴが入っている人が王冠を被る資格があり、
祝福を受けるのがフランスの習慣。


フェーヴは「そら豆」という意味で、胎児に似ていることから陶器のフェーヴを入れることになったのですが、今では何でもいい感じ。動物やお人形、漫画のキャラクター、クラシックカーまであり、コレクションする人もいるほど。

誘惑がいっぱいの今のパリ
 私が一番好きなのは、
 アーモンド入りの生地のガレット・デ・ロワ。
 あまりにもおいしいので1月6日だけでなく、
 その前後数日間買い 求めるほど。

 今年こそ引き締めたいという決心が、
 グラグラと大揺れしている新年です。

2014年1月2日

楽しい乗り物がいっぱい


おしゃれなパリにぴったり

誰でも利用できる低コストの自転車と自動車を街中に置き、世界を驚かせたパリに、今度は楽しい乗り物がぞくぞく登場して、またまた話題を呼んでいます。

馬車やミニ電車が行き交うのはクラシックな方で、意匠を凝らした人力自転車というか、とにかく人が脚でこぐ自転車タイプの乗り物があちこちに出現しているのです。

馬車もあるし・・・

それがまたおしゃれなパリにぴったりな、
おしゃれなデザイン。
しかもカラフル。

若い男性が軽快にこぐけれど、スリムなクライアントならまだしも、立派な体格の人だったらさぞかし大変だろうと、いつも思います。でも笑顔を振りまきながら快活にサーヴィスするのは、見上げたプロ意識です。

どこの町でも同じでしょうが、観光客が利用すことが多いよう。
一味異なるパリ観光には最適。
ミニ電車もある
ゆっくりと進むので、それなりにゆっくりと見物できる利点もあり、
今後もどんどん増えるそう。
冬の寒さにもかかわらず、人気者です。

変わらないという評判のパリ。それも魅力だけれど、新しい試みも刺激的でいい。
アイディアの宝庫を持っているパリジャンのこと、今後も驚くべき乗り物が、ある日、突然、登場するかも。
細胞活性化にことかかないパリです。


            いろいろあって楽しいパリの新乗り物。
           公害がなく地球に優しいエコロジックなのがいい。
           こぐ人はさずがにがっちりた体格で頼もしい、
               このようにいいことばかり。
            

2014年1月1日

新年あけましておめでとうございます。


着物をきると
日本女性になった引き締まりが
生まれます。今年はできるだけ着物を
と思っています。フランス人は
着物大好きな国民なのです


 

2014年がみなさまにとって、
幸せに満ちたいいお年でありますように
心から願っています。

日本のお正月は、心を改めて新たな年を迎える空気が満ちていてほんとうに素晴らしい。清浄な空気が隅々まで漂っているように思えます。

年末の大掃除で家の中を清める習慣、新年に神様をお迎えするために飾る玄関の門松、神妙な面持ちになる初詣、種類豊富で色鮮やかなおせち料理、しかも一品一品に意味がある。一年の計は元旦にありという心がけも
素晴らしい。パリにいて、お正月ほど日本人であることを強く認識する日はありません。

それに比べてパリのお正月はさっぱりしていて、教会でミサがある程度。しかも、カトリックの国民であるにもかかわらず、ほとんどのパリジャンはそのミサにも行かない。1月1日はさすがに休日ですが、2日から仕事。

幸いなことにパリに日本の食材店があり、
そこで出来上がったおせち料理を買うことも出来るし、和食レストランやお惣菜屋さんが予約制で立派なお重入りを作ってくれます。
でも、不思議なことに、パリでおせち料理をいただく気にはならないのです。それは、日本独自のお正月の空気がないからでは?
     いつか日本でゆっくりと味わいたいお正月です。

     今年は馬年。
  雄々しく、それでいて優雅で、 美しい体で精一杯走り続ける馬を見習いたい。
   本年もどうぞよろしくお願いいたします。