2014年1月20日

オート・クチュール ディオール文化の普及

ディオールを含む名立たるデラックス
企業を傘下に持つ
LVMH会長アルノー夫妻と
左はシラク夫人

暖冬でよかったと思っていたら急に冷え込んできたパリ。
でも、待望のディオールのショーに出席できる喜びで、寒さも一挙に飛び去ります。
毎回期待を膨らまさせ、それを裏切ることがないメゾンであるだけに興味津々。

招待状を受け取って会場がわかった時点で、何を着ていこうかといつも悩むのですが、何しろ寒さから身を守るためにコートを着るのは当然。

それを脱がない限り、中に何を着ても構わないのかもしれないけれど、女心は複雑で微妙。見えなくても、あるいは、見せることがなくてもおしゃれしたいのです。これは精神に非常に重要なことなのです。

ラフ・シモンズが主任デザイナーになって、すっかりディオールのニュー・スタイルが定着した感じ。シャープで、構築的で、知性の煌きもある。今回の2014年春夏コレクションは、不必要な装飾をすべてはぶいた究極のピュアなエレガンス。品格ある若さ、軽やかさ、女性として生まれたことに感謝したいほどフェミニンな作品ばかり。年に4回創作するコレクションが、創立者ディオールを継承しつつ、同時にラフ・シモンズであることは、たやすいことではない。でも彼はそれをこなしている。立派です。

彼も立派だけれど、今回、世界のファッション学校16校から選抜した生徒を招待したメゾン・ディオールは、もっと立派。アメリカ、ベルギー、イギリス、イタリア、中国、日本などから幸運にも招待された生徒たちは、極秘のオートクチュール
のアトリエ訪問と、ショーへの出席。夢のようなひとときを過ごしたのです。

メゾン・ディオールの意図は、フランスが誇るファッション文化を、その本場で若者たちに体感して欲しいということなのでしょう。
この貴重な体験は、今後の彼らの重要な糧となり励みとなること間違いなし。
さらに、ファッションの中心がパリにあることもしっかり認識するはず。

停滞していた戦後のファッションに新たな息吹を吹き込み、再生させ、ファション界を活性化させ
たディオールは、今、また、新たな境地を開いているのです。
これからの時代を背負う若者たちにディオール文化の洗礼をほどこし、感性に訴え、磨きをかけ、意欲を与え、新たな創作に挑む支援を惜しみなく提供するメゾン・ディオール。

何てすばらしいこと!!
ファッションの未来が大きく開かれ、限りなく発展していくような期待感が生まれます。

それにしても今日のコレクションの後味の何と爽やかでいいことか。
世界中に平和が漂っているように幸せでした。

ロダン美術館で開催された
ディオール2014年春夏コレクションのデフィレ