ルーヴル美術館に展示されている作品は膨大です。そのどれもそこに展示する意味があるはずですから、何を訴えているのか、何を表現しているのかを知ることは重要です。
作品の作者名と創作年、あるいはタイトルが判明している場合には、そのすぐ近くに表示されています。タイトルが書かれている場合には、ある程度内容がわかります。
あるいは想像することができます。
私がルーヴル美術館の作品で特に興味を抱いているのは肖像画。写真がなかった時代に描かれた肖像画は写実的で、多少は美化しているのもありますが、その人を表していて、まるで本人を目の前にしているような印象を受けるのが楽しいのです。
展示されている多くの作品の中から11人の女性の肖像画に焦点を当て、その人の生い立ち、肖像画が描かれた背景などに触れているのが本書です。
絵の解説ではなく、描かれた女性の生き方を語ります。肖像画を前に、ああ、この女性はこのような人生を送ったのかと思っていただければ幸いです。
背景を知ることによって、実際に地上に生き足跡を残した人として捉えるようになり、親しみが生まれ、見方が変わってくると思っています。
ルーヴル美術館に行く際に友人のような感覚で同行させていただけたら、とてもうれしいです。