2018年9月16日

文化遺産の日、内務省見学

今年の文化遺産の日には、迎賓館を訪問したいと早めにランチを終えて出かけたら、朝8時から並んでいる人ですでにいっぱい。だらか今日はもうダメと警察官が厳しい顔でいう。何を今ごろ来てと思ったに違いない。

そう、私が甘かったのです。フランス人は自国の文化遺産に格別な関心と愛着を抱いている国民。しかも官庁関係の建造物の多くは、アンシアン・レジムの貴族の大邸宅。建物もインテリアもそれはそれは豪華。かつての華やかさが残っているのです。

迎賓館が見られないので、その近くの内務省に向かう。ここも思った通りやはり長い行列。でも断られなかったので列に並ぶ。周囲には少なくとも20台ほどの機動隊の車が待機している。身分証明書提示と2度の荷物検査の後、中に入る。

敷地内に入ったとたん、見たこともないパトカーが数台。
そういえば、パリを舞台にした昔の映画で見かけたかも。

オードリー・ヘプバーン主演の映画に登場したような
パトカーもある。今のよりすっとパリらしくていい。
小型で動きも楽そうで、私にも運転できそう。
いよいよ建物の中に入ろうとすると、
「オートバイに乗ってみませんか」
と、金モールがついた立派なユニフォームの
若く美型の男性が言う。

「大きすぎて怖いから乗りませんが、写真だけ」
ちょっと緊張した写真です。

内務省はエリゼ宮殿の斜め前にあり、ミッテラン、シラク、サルコジなど大統領になる前に内務大臣になる政治家が多い。

オテル・ド・ボーヴォと呼ばれる旧邸宅が内務省兼内務大臣公邸。18世紀の建物でほとんどの貴族館と同じように大理石の床、マントロピース、壁画、クリスタルのシャンデリアが豪奢。


「名誉の階段」階上は内務大臣の住まいになっていて、
サロンやダイニングルーム、図書室、複数の寝室があるそうです。
マクロン大統領の公式写真と、
歴代の大臣たちのポートレートが壁一面を飾る「控えの間」。

「内務大臣の執務室」
19世紀に内装がほどこされた帝政様式。
執務机はマホガニーの重厚な趣。


「会議の間」
深紅のビロードとゴールドが華やか。

裏手に広がる庭園には、
種類豊富な木と花が咲いていてオアシスのよう。


貴族館の庭園に欠かせない大理石の女性像。
ゆったりと見学ができて大満足。今後は内務大臣の姿をテレビで見かけるときには、今までと異なる思いを抱くでしょう。

訪問者を喜ばせるために、
このような記念撮影の配慮まであったのにはびっくり。

顔の大きさに比例して体が大き過ぎる。
警察犬と一緒の写真なんて、本当にいい記念。