2018年9月7日

名和晃平さん、輝かしいルーヴル美術館の彫刻

彫刻家、名和晃平さんの画期的な作品がルーヴル美術館で輝いています。
ガラス張りのピラミッドの中に展示してあり、外からでも見えるので、「あれは一体何」と近づく人も多いようです。ルーヴル美術館を見慣れているパリジャンも気なってしかたない。

エントランスを入った目のまえに展示されている、
名和晃平さん作「玉座」。

エスカレータ―の上り下りの際にも、
視線を向けたくなるインパクト。

ガラスのピラミッドとの間に不思議なハーモニーがあります。

この作品はジャポニズム2018のために名和さんがクリエイトしたもので、高さ10,4メートル。ステンレスの上に金箔をぬってあり、タイトルは「玉座」。

たしかに権力者が座るべき椅子が中央にあります。でもそこには誰も座っていないので、いわば空の玉座。観る人が自分で想像して欲しいという意図があるのでしょうか。

エジプトの王であってもしいし、フランスの王でもいい。あるいは空想の世界の王であってもいい。子供でもいいし、大人でもいい。権力者が何を意味するか自問するのもいいかも。

ご覧の通り、外からもバッチリ鑑賞できます。
ちょっと小雨が降ってきました。でも傘はささない主義。
多くのパリジェンヌのように。

遠くからもひと目をひく彫刻です。
右手のの騎馬像のルイ14世もびっくり。

エジプトの繁栄を象徴する金箔と、コンテンポラリーで実用的なステンレスの融合にも独創性があるように思えます。玉座、雲、球など様々なフォルムが微妙に絡みあっていますが、東洋の祭事で登場する山車を考察しているそうです。そのためかとても華やか。

2019年1月14日まで鑑賞できます。ライトアップされたら輝きが増し、さぞかし素晴しいことでしょう。