2017年1月24日

ディオール主催、華麗な仮面舞踏会

仮面舞踏会会場のロダン美術館。
その外壁のライトアップが、未知の世界への期待感を膨らませます。
ディオールのオート・クチュールのショーが行われた1月23日夜遅く、仮面舞踏会が催されました。22時から翌朝2時まで続く仮面舞踏会の会場となったのは、ショーと同じロダン美術館内庭。

美術館のエントランスから内庭に設置した特別会場までは、
芝生が続きます。
その両サイドにキャンドルが灯され、
一角獣に扮した本物の馬たちが黒いマント、黒い仮面の男性と勢揃い。

ヴェネティアで発祥した仮面舞踏会は、身分を隠して楽しめるので、17世紀、18世紀のヨーロッパ宮廷でもてはやされていました。人生を楽しむことに才知を発揮するフランスでは、貴族も競うようにオーガナイズしていました。

植木で作った迷路を通り会場内に入ろうとすると、
見上げるばかりに背が高いピエロさんが、
こちらからどうぞと手招きしてくれる。
仮面舞踏会というと、フランス王妃マリー・アントワネットとスウェーデンの名門貴族フェルセンの出会いがすぐに浮かびます。こうした歴史上のロマンティックな出来事もあったために、期待で心が弾むのも無理ないこと。

一歩中に入ると、皆、歓声をあげます。
幻想的な世界が目の前に展開するからです。
イケメンのガルソンからシャンパーニュを受け取り、
身も心も弾ませながら奥へと進む。
インヴィテーションに「ソワレの装いで」と書いてあるからには、やはりそれなりの仕度をしなければ。お面を被るからメーキャップ とヘアは簡単でいい。問題は連日マイナスの寒い気温の中、仮面舞踏会にふさわしいドレスを選ぶこと。

深い森の祭典に招かれたような雰囲気の中に、
かつての宮廷の食卓のようなビュッフェセッティング。
きらびやかで目眩が起きそう。
通常、ソワレには薄い布地の服を着るけれど、この寒さには合わない。
あれこれ考えて選んだのが、黒いラメのドレスの上にキルティングを施してあるちょっと派手な色のジャケット。これで一応「ソワレの装い」らしくなりホッと安堵のため息。
このように女性はいつも服装で頭を悩ますのです。

ソワレにはブラックドレスが人気。
仮面をつけた着飾った女性、タキシードの男性。
会場の装飾とよく似合います。
まるで映画の一場面を見るよう。

舞踏会にふさわしい豪華なドレスのマヌカンが、
随所でムードを盛り上げます。
会場に着くと、黒服に身を固めた美しい青年が勢ぞろいでにこやかにお出迎え。しかも礼儀正しく親切。
中央に向かっていくと、高い天井からツタのように種々様々な植物が、ライトの中に浮かびながら 詩情あふれる空間を作っている。一瞬、パリにいることを忘れるほど素晴らしい。
私たちも負けずに華やぎを散りばめました。
軽快なミュージックが途切れることなく流れ、それに合わせて体を揺らせながら、談笑をエンジョイする思い思いの服装と仮面の招待客。
着飾ってお面をつけ、異なった人になって思いっきり楽しめ仮面舞踏会は、パリのソワレにぴったりです。