この日に家族で切り分けていただくガレットは、諸王のガレットという意味の
「ガレット・デ・ロワ」で、実際には三博士を意味します。
キリスト誕生を祝うために、 東方の3人の博士が 彼の生誕地のベツレヘムに駆けつけました。 |
若者を現す「黄金」、壮年を現す「乳香」、老人を現す「没薬」が、彼らからキリストへの贈り物でした。
この記念すべき日をお祝いし、ガレットを切り分けていただく当初の目的は、貧しい人々に分け与える神からの、あるいは、聖母マリアからの贈り物だったといわれています。
華やかに1月6日を祝う 富裕階級の人々。 |
農民たちは家族そろってテーブルを囲み、 つつましくガレット・デ・ロワを分かち合います。 |
やがて革命がおき、食べものに事欠く時代を迎え、貴重になった小麦粉はパンを作るためのみに使われ、ガレットどころではなくなります。一時期にはガレット・デ・ロワの廃止も考えられましたが、結局、ほそぼそながら生き延びます。
ソラマメ、フランス語でフェーヴ。 たしかに胎児に似ていますね。 |
ソラマメは胎児の姿に似ているので、キリストの象徴としてガレットに入れたようです。昔は本物のソラマメを入れ、その後18世紀ころから陶器のフェーヴになりました。革命のときには、革命家たちの象徴の三角のフリジア帽がフェーヴになったのです。
名前も「ガレット・デ・ロワ」 の代わりに、自由のガレットという意味の「ガレット・ドゥ・ラ・リベルテ」などと呼んでいたこともあります。
店頭にずらりと並ぶガレット・デ・ロワ。 私が好きなのはアーモンド入り。軽いからいくらでも食べられます。 1月6日どころか、その前にも、その後にもいただいてしまうほど大好き。 |
お菓子が辿る歴史も長いものなのですね。