2017年1月6日

ガレット・デ・ロワの日

1月6日は東方の三博士がキリストに会いに行き拝んだ日で、公現節と呼ばれます。
この日に家族で切り分けていただくガレットは、諸王のガレットという意味の
「ガレット・デ・ロワ」で、実際には三博士を意味します。

キリスト誕生を祝うために、
東方の3人の博士が
彼の生誕地のベツレヘムに駆けつけました。
長い間待ち望んでいた世の救い主であるキリストがベツレヘムで生まれたと聞いて、三人の賢人がそれぞれ贈答品を持ってお祝いに行きます。

若者を現す「黄金」、壮年を現す「乳香」、老人を現す「没薬」が、彼らからキリストへの贈り物でした。

この記念すべき日をお祝いし、ガレットを切り分けていただく当初の目的は、貧しい人々に分け与える神からの、あるいは、聖母マリアからの贈り物だったといわれています。

華やかに1月6日を祝う
富裕階級の人々。
14世紀のブルボン公は慈善を示すために、1月6日にもっとも貧しい子供を選び、その日限りの王にして冠をかぶせ、豪華な装いをさせ、ご馳走をたっぷり食べさせました。

農民たちは家族そろってテーブルを囲み、
つつましくガレット・デ・ロワを分かち合います。
宮廷生活のすべてに厳かな儀式を義務づけていた国王ルイ14世も、食卓でガレットを会食者と分けて口にしたと記録が残っています。

やがて革命がおき、食べものに事欠く時代を迎え、貴重になった小麦粉はパンを作るためのみに使われ、ガレットどころではなくなります。一時期にはガレット・デ・ロワの廃止も考えられましたが、結局、ほそぼそながら生き延びます。

ソラマメ、フランス語でフェーヴ。
たしかに胎児に似ていますね。
 ガレット・デ・ロワはパイのお菓子で、中にソラマメの形のフェーヴが入っていて、それが入っているのに当たった人は冠を被る権利があり、その日だけ王様、あるいは女王になれます。

 ソラマメは胎児の姿に似ているので、キリストの象徴としてガレットに入れたようです。昔は本物のソラマメを入れ、その後18世紀ころから陶器のフェーヴになりました。革命のときには、革命家たちの象徴の三角のフリジア帽がフェーヴになったのです。

名前も「ガレット・デ・ロワ」 の代わりに、自由のガレットという意味の「ガレット・ドゥ・ラ・リベルテ」などと呼んでいたこともあります。

店頭にずらりと並ぶガレット・デ・ロワ。
私が好きなのはアーモンド入り。軽いからいくらでも食べられます。
1月6日どころか、その前にも、その後にもいただいてしまうほど大好き。
現在、フェーヴの形は様々でコレクションしたいほど楽しいものばかり。こけしやキティちゃんもあるし、ミニカーやサンタクロース、ケーキもある。

お菓子が辿る歴史も長いものなのですね。