2020年5月4日

マスク戦争

長い間待ち望んでいたマスクが、5月4日から誰でも買えるようになりました。今まで薬局で買いたくても医療従事者のみで、一般人は買うことが出来ず、手作りやネット通販で不当な金額で買ったり、スカーフで代用したりなどと苦労続きだったのです。

外出禁止令が発令され、違反者のコントロールにあたるようになった警官たちは、自分たちの身を守るマスクがないと不満を述べていました。「マクロン大統領はフランスは見えない敵と戦う戦時下にあると言った。兵士が戦うのには武器が必要だ。マスクはそれに相当する。それなしで戦うことなど不可能だ、危険だ」と、声をあげていたのです。

その後、それが解決し警官はマスクをしながらコントロールをし、そのほか清掃員や郵便配達員などにもマスクが配布されるようになったのですが、一般国民には遠い存在だったのでした。

それが、まるで魔法の杖を振りかざしたかのように、5月4日から薬局、スーパー、タバコ屋さんで誰でも買えることになったのです。しかも、サージカルマスクの最高価格は一枚95サンチームと価格の上限まで政府が決めている。

政府の発表によると、中国にオーダーしていた大量のマスクが到着したし、フランス国内でもいろいろな企業がマスク作りに専念。その結果ある程度のストックを持つことができたそう。生産を絶え間なく続けていくとのことなので、購入数に制限があるとはいえ、まずひと安心。

中国からマスクが到着したときには、機関銃を手にした複数の軍人が飛行機を取り囲み、所定の場所に移す車両の前後を警備車が固め、まさに超重要人物のような厳重な扱いだったのです。マスクでこれほどの大騒ぎが起きるとは、夢にも思っていませんでした。一部のフランス政治家によると、中国に発注した大量のマスクがフランスに送られる寸前に、アメリカに横取りされたそうで、こうした苦い経験から軍隊まで出動するようになったのでしょう。

ところで、5月11日から外出禁止令が段階的に緩和されますが、公衆衛生上の緊急状態は7月24日まで延長されるのです。ということで、マスクをしっかり買っておかなくてはと、早速マスクを求めて外出。


これが憧れのマスク。
5月4日朝9時30分にス―パ―で買いました。
本当は50枚入りを買いたかったけれど、
売り切れと言われ、10枚入り。

皆さん、ずいぶん早起きして買いに行ったのですね。
ス―パ―は8時にオープン。きっとその前に行って並んでいたのでしょう。

袋の外側に正しいマスクの付け方の絵があります。
このマスクはバクテリアから95パーセント守ってくれるそうです。
なかなか頼りがいがあります。

風通しがいい乾燥した場所に保存することと、
マスクに慣れていないフランス人のために注意書きもあります。

値段は私の行きつけのスーパーでは、使い捨て50枚入りが29,90で、10枚入りが6,90。布製で洗えるのは2枚で4,40ユーロ。洗えるマスクは洗濯機をあらかじめ消毒し、他の衣類は入れずに60度で30分回すとややっこしい。なので私は一回で捨てるサージカルマスクのみ買う予定。

4月半ばの大統領のテレビ演説で、洗えるマスクを全国民に配布すると発表があったけれど、いつ受け取れるか分からない。パリ市長も市民全員にマスクを配る予定で現在生産中と言っているけれど、こちらもいつ具体化するのかわからない。やはり自己防衛は自分でしないといけないのです。どの国に住んでいようとも。

来週から販売されるマスクの量が多くなるとの朗報もあるけれど、混雑も予想されるので例え10枚でも早めに買えてよかった。今日はきっといい夢を見ると思う。