2021年3月21日

ロックダウン、何かおかしいなぁ

3度目のロックダウンに入ったけれど、何となく腑に落ちない。

まず、外出の際に携帯すべき証明書が問題。
外出が禁止されている19時から翌朝6時以外は、外出時間に制限ないとカステックス首相が発表したのだから、証明書は、以前のよりずっとシンプルになるとばかり思っていました。それが、逆に、外出理由の項目が増えていて、ナンと2ページもある。これを外出の度に印刷して、該当する項目に印をつけ、住所、氏名、生年月日まで入れて持っていなくてはならないのは、なぜ、と単純に思ってしまいます。

時間制限がないのなら、外で何をしようが個人の自由ではないか、というのが多くの人の意見。私は家でグツグツ文句を言っているだけだけど、「バカげている」と声にする人たちのお蔭で、政府も矛盾に気が付いたのか、急遽変更。結局、証明書は必要なく、身分証明書だけでいいそう。

わずか数時間後に取りやめるとは、いかにもフランス人らしいし、即刻、国民の意見を取り入れる柔軟性は見上げたもの。

生活必需品を売るスーパーや店舗、薬局のほか、今回は書店もオープンしていいことになった、ずいぶん理解あるロックダウン。不思議なのは、それだけで終わらず、今度は美容院、チョコレート店、眼鏡店、フラワーショップもOK、とだんだん増えていること。これで本当にロックダウン? と思えるほど寛大。内心、大丈夫かとちょっと心配。

それに加えて、ロックダウン発表でパリを脱出し、感染者が少ない大西洋側に大挙して移動したことも気がかり。TGVは満席だし、道路は400キロもの渋滞。その地域のホテルは泊まり客が一挙に増えて喜んでいるようだけれど、これによって、パリからコロナが安全地帯に運ばれるかもしれない。

何事にも動じない「鉄の貴婦人」エッフェル塔。
パリをしっかり見守っています。
ちょっとかわったロックダウンです。