国民の怒りと罵倒の中、パリに戻る国王一家。 |
重い空気がはびこっていたパリに戻る馬車。 |
6月22日にヴァレンヌを発ち、25日にパリに到着する間、どの村でも、どの町でも、怒りの声と罵倒が国王一家が乗っている馬車に向って投げられていたのです。
馬車の周りを取り囲んでいるのは国民軍。
護衛のためというより、むしろ、王党派の人が国王一家を救助するのを防ぐのが目的だったのです。
行きの馬車には、国王夫妻、王子、王女、王の妹、養育係の6人が乗っていましたが、パリに向う際にそこに役人が2人乗り、合計8人。身動きできない状態で、しかもほとんど外に出ることもない、暗い旅でした。
この旅の間に、マリー・アントワネットは王政が終わる日が近づいていることを、全身で感じたに違いありません。
6月25日夕方、パリ市に到着した馬車。 |