2016年1月22日

マリー・アントワネット 絵で辿る生涯 50

タンプル塔での監視つきの食事。
大きな愛で
結ばれていた一家。
国王一家が幽閉されたタンプル塔は4階建てで、1階にパリ市の役人、2階に監視人がつめ、3階が王と王子の部屋、4階に王妃、王女、王妹が暮していました。

壁は厚く、全ての窓に布が張られ、外から何も見えないようにしていましたが、家具も食事も比較的上等だったし、侍従や召使も仕えていました。

マリー・アントワネットはヴェルサイユ近くのヴィル・ダヴレの水が好きで、彼女のために、わざわざその地の水を運んでくれていました。
ヴィル・ダヴレの水のクオリティは格別で、王妃はその水しか口にしなかったのです。

王子に
様々な学科を教える国王。
タンプル塔での日々は、変化のない退屈なものでした。
今日は昨日の続きであり、明日も今日の続き。
その繰り返しでした。

真面目な国王は、将来、王になるであろう息子に勉強を教えるのが何よりの楽しみでした。

数学やラテン語、地理、歴史など、博学なルイ16世の知識は豊富で、マリー・アントワネットが見直したほど。

科学や探検にも興味を抱き、アメリカ独立戦争には、惜しみない協力をしました。そのために国庫が空っぽになり、国民の生活が最悪の状態に陥ったのです。

革命が起きた原因のひとつは、アメリカ独立戦争援助にあるのです。

王妃はゲームをしたり、王妹や王女とのおしゃべりを楽しんでいました。
監視つきとはいえ、ときには庭の散歩も許され、大喜びして駆け回る子供たちの姿を、王妃は飽きることなく見つめていました。

マリー・アントワネットは母性愛の強い、良き母だったのです。

右から王子、国王、王妃、王女、王妹。