シャトー・ド・ヴァンセンヌ (1号線)
1900年に開通した一号線のターミナル、シャトー・ド・ヴァンセンヌは、文字通りシャトーがあった地です。
パリの東にあるヴァンセンヌの森に、12世紀に国王の狩猟の館が造られたのが始まりで、その後、国王の住まいとなり、1270年、聖ルイ王はこのシャトーから十字軍遠征に出かけます。
城壁に囲まれた14世紀のヴァンセンヌ城。 |
シャトーが大規模に拡大されたのは14世紀。塔がいくつも建築され、城壁が周囲を囲み王の居城にふさわしくなります。
ルイ13世はこのシャトーに長年住み、ルイ14世は「王の館」「王妃の館」を増築させます。塔が重要な囚人の監獄になったのもこのころからでした。
18世紀半ばのヴァンセンヌ城。 |
1682年、ルイ14世がヴェルサイユ宮殿を居城とし宮廷を移した後、ヴァンセンヌに磁器を作る工房が置かれます。この焼き物工房が後年にセーヴルに移され、セーヴル焼きとなったのです。
その間も塔は監獄の役目を果たし、サド侯爵、ミラボー、ディドロなどが捕らえられていました。
革命後には武器庫となり、第二次世界大戦中にパリをドイツ支配から解放する激戦があり、その際に大きな痛手を受けました。
ヴァンセンヌ城の主塔(ドンジョン) |
中世でもっとも高い52メートルを誇る主塔からの眺めも素晴らしい。