エレベーターを観察しているの |
前にお話したわよネ。
ほら、ジムをするときに。
そのほかにも
ワタシには楽しみがあるの。
エレベーターが
上がったり下りたりするのを
見ることなの。
人間てほんとうにおかしいわね。
だって、あんな箱を作って、
その中に入って、
上がったり下りたりして喜んでいるんだもん。
それを見ていると、人間てなんて単純なんだろうって思っちゃう。
見ていてちっともあきないわ。
アーッ ドアが閉まりそう |
見とれているうちに、
お家のドアがなぜか少しづつ閉まっちゃうことがあるの。
きっと風が吹くのよね。
そんなとき、こわくてこわくてきっと風が吹くのよね。
もう、
エレベーター観察どころじゃなくなるの。
だって、もし完全に閉まったら、
ワタシとてもひとりでは開けられないもん。
万が一のときには
大きな声をだせばいいのだけれど、
やはり恥ずかしいワ。
一度そういうことがあって、声の限りに泣き叫んだの。エレベーター観察どころじゃないわ |
だけどママンはそれにちっとも気が付かなかったの。
すごい神経しているのね。音楽でも聴いていたのかもしれないけれど。それにしても、ちょっとひどいわよネ。
でも運のいいことに、
ちょうど通りかかった
上の階に住んでいる
ムッシューが 、ワタシの必死の声を
聞いて
お家のドアをガンガン叩いてママンに
しらせたの。
「お宅のネコが泣いていますよ」
って、ワタシをやさしく抱いてママンに
渡してくれたの。
命の恩人よネ。
ちょうど通りかかった
上の階に住んでいる
ムッシューが 、ワタシの必死の声を
聞いて
お家のドアをガンガン叩いてママンに
しらせたの。
「お宅のネコが泣いていますよ」
って、ワタシをやさしく抱いてママンに
渡してくれたの。
ギャー、助けて! |
それなのにママンは
「エーッ! そちらに遊びに行っていたんですか?」
なんて、トンチンカンなことを言うの。
「エーッ! そちらに遊びに行っていたんですか?」
なんて、トンチンカンなことを言うの。
信じられる、この無責任さ。
ああ、はずかしい。
ああ、はずかしい。