1775年の マリー・アントワネット |
結婚式は1769年4月5日。
金糸銀糸のウエディングドレスに身を包んだルイーズ=マリー・アデライドは、天から今舞い降りてきたかと思うほど、
煌びやかな美しさ。
人々の好奇心と感嘆は花嫁のウエディングドレスに集中。
「いったいどなたがお作りになったのでしょう」
というささやきが起きたのは、当然。
ベルタンの名はその瞬間に、貴重なものになったのです。
ベルタンがつとめるモード店パジェルは、それ以降、
多くの貴族夫人のお気に入りになります。
勿論、誰も彼もがベルタンを指名。
彼女のすごさは、それを境に独立を考えたこと。
やはり、ただ者ではなかったのです。
1773年10月24日、ベルタンは自分のモード店「グラン・モゴル」をオープン。
しかも高級なサントノレ通り。
このときから彼女は、マリー・ジャンヌからローズとなり、
その名で知れ渡るようになります。
ローズはバラのこと。
そして、
マリー・アントワネットがこよなく愛していたのはバラ。
運命的な出会いを暗示するような名になったのです。
フランス王太子妃マリー・アントワネットは、
そのときまだ17歳。
服装に関する興味はあまりなく、
周囲の言いなり。
彼女がおしゃれに大きな興味を持ち、多額の出費をするようになるのはそれから間もなくのことで、
王妃になってから。
ローズ・ベルタンの本格的な活躍が
そのときから始まります。
続く・・・