2016年10月10日

メトロの駅名は語る 4

Franklin D.Roosevelt
フランクリン D. ルーズべルト (1,9号線)

第32代アメリカ大統領フランクリン・デラノ・ルーズベルトの名は、この駅と、そこからセーヌ川まで続いている道路名にもなっています。高級ブティックが並ぶモンテーニュ通りも、この駅からのびていて、あたり一面に気品が漂っています。

第二次世界大戦中のアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルト。
第二次世界大戦はフランスに大きな打撃を与えました。戦争初期にナチス・ドイツに大敗し、占領され、屈辱と搾取の日々を送っていたのです。

そのドイツ支配から祖国を解放しようと、フランス国民の間でレジスタンスが結成され、イギリス、アメリカを筆頭とする連合軍も全面的に協力。1944年6月6日、連合軍はノルマンディー上陸作戦を成功させ、パリへと進軍しながら、次々と町や村をドイツ支配から解放していきます。

ナチス・ドイツ支配から解放され、
シャンゼリゼでフランス軍を熱狂的に迎える市民たち。
功績をなしたド・ゴールを称える「ド・ゴール万歳」の文字が見えます。
パリ解放の戦いは1944年8月15日から25日まで続き、ついに念願の自由を取り戻す。アメリカの大々的な援軍なしでは、それは不可能なことでした。このときのアメリカ大統領がルーズベルトだったのです。
フランスが自由を取り戻すのに貢献をなしたアメリカ軍は、
8月29日にシャンゼリゼを行進。
その後もフランス全土の解放のために戦いが続き、終戦を迎えたのは1945年5月8日。ルーズベルトはその一ヶ月前、4月12日、生涯を閉じます。
彼の名がメトロの駅名になったのは翌年10月で、それ以前はマルブフという名でした。マルブフは17世紀を代表するバロックの詩人で、彼の名はフランクリン・D・ルーズベルト駅近くの道路名として残っています。