2017年4月3日

ムガル帝国の華麗な宝石展

インドのムガル帝国時代から現在までの、選び抜いた多数の宝飾品をグラン・パレで展示しています。
ムガル帝国5代目の皇帝、シャー・ジャハール。
亡き妃のために優美なタジ・マハールを建築させた皇帝。
絵でもわかるように、
たくさんの宝石を身につけていました。
1526年から1857年まで威勢を誇っていたムガル朝。その歴代の皇帝は、権力の象徴である宝石をこよなく愛していました。

カルティエ作。
豪華極まりないターバン飾り。
中央のブラウン・ダイヤモンドは61,50カラット。
ダイヤモンド、ルビー、サファイアなど、多くの上質の貴石を産出するインドならではのゴージャスな宝飾品は、ムガル朝の偉大さを華やかに伝えます。

時が経ちムガル帝国が滅び、領土が分割される時代を迎えます。有力なマハラジャがそれぞれの領地を治めるようになると、彼らも競って宝石で身を飾ります。

こうした重要な人々にちなむ宝石に魅了されたのが、カタールのアルサーニ殿下。インドが華麗な輝きを放っていた時代の多くの宝飾品を収集し、世界の主だった都市で「アルサーニ・コレクション」として公開することを思い立ったのです。

メレリオ作。
孔雀のモチーフのブローチ。
しなやかな姿を表現するテクニックが驚異的。
パリのグラン・パレでは270点選んで展示。
どれもこれも言葉を失うほど華麗です。
こうした宝石を生んだ地球と、それをアート性高い装身具にした人たちの感性と技術に感謝したいほど。

大粒のエメラルドが限りなくゴージャス。
冠、ネックレス、リング、ペンダント、ターバン飾り、ブレスレットなど身につけるジュエリーの他、宝石をあしらった食器、衣類、剣、チェス、置物なども展示されていて、その煌びやかさはインドの栄華を誇らしげに語っています。

「ムガル帝国からマハラジャまで。アルサーニ・コレクション宝石」展
グラン・パレ
6月5日まで。