2017年4月22日

メトロの駅名は語る 38

St.Michel
サン・ミッシェル(4号線)

道路名と広場の名と同じにサン・ミッシェル駅と名づけられたこの駅は、学生街カルチェ・ラタンへの入り口です。

 
15世紀の画家、
ピエトロ・ペルジーノ作の
ミカエル大天使。
サン・ミッシェルという名はいたるところに使用されています。それというのもサン・ミッシェルは、ミカエル大天使のことでフランスの守護聖人なのです。
有名なモン・サン・ミッシェル修道院も、ミカエル大天使のお告げを受けて島の頂上に礼拝堂を建築したのが始まりだし、ジャンヌ・ダルクに出現してイギリス相手に苦戦している王太子を助け、無事に国王の座に就けるようにとお告げをしたのもミカエル大天使でした。

 
1900年のサン・ミッシェル広場。
サン・ミッシェル広場が生まれたのは1855年で、ナポレオン3世の時世のパリ大改造に伴い創られました。両手を広げてサタンを退治する
ミカエル大天使と、口から勢いよく水を吐くドラゴンの像に迫力がみなぎり、いかにも学生街にふさわしい。

サン・ミッシェル広場から見るシテ島。
シテ島のサント・シャペルの尖塔が見えます。
サン・ミッシェル大通りも広場と同時代のもの。現在は舗装されていますが、1968年5月の学生や労働者を中心とした「五月革命」の際に、彼らは石畳の石をはがして武器とし警官隊と激しく衝突。それ以降、学生街の石畳はアルファルトに変ったのです。

19世紀末のサン・ミッシェル大通り。
この敷石が1968年の5月革命ではがされ、武器として使用され、
それ以後、学生街はアスファルトの道路のみになります。

カルチェ・ラタンにふさわしく、この界隈には文具店や書店が多いし、安くて量が多いブラスリーやカジュアルな洋服店も多い。少し先には私にとってなつかしいソルボンヌがあるし、本を書くときに何度もお世話になったサント・ジュヌヴィエーヴ図書館もある。 お世話になりました。

 サン・ミッシェル広場は待ち合わせに最適だし、一年中若者が多く独特な活気がある街。裏通りのクネクネした細い道がけっこう面白い。