2017年4月28日

メトロの駅名は語る 39

Odéon
オデオン(4,10号線)

学生街にあるオデオン広場とそこに建つオデオン劇場から、この駅名が生まれました。オデオンはギリシャ語で劇場という意味。

18世紀末に建築された劇場。
当初は「フランス劇場」と呼ばれ、革命の時には「国民劇場」。
現在は「オデオン劇場」あるいは「オデオン座」と呼ばれています。
オデオン劇場の歴史は古く、革命前に「フランス劇場」として建築。
その開場は1782年4月9日で、ボーマルシェ作の「フィガロの結婚」 が上演されマリー・アントワネットを筆頭に宮廷の人々が観劇。

劇場の客席。
貴族を風刺する「フィガロの結婚」はルイ16世が上演禁止をした作品。それを「フランス劇場」で披露できたのはマリー・アントワネットの強い希望があったため。「フィガロの結婚」は大ヒットし後にモーツアルトによってオペラになります。

革命が起きた1789年に「フランス劇場」は「国民劇場」と名が変更され、革命後に「オデオン劇場」と改名され、それが現在も続いています。客席は1280。

1872年、ヴィクトル・ユゴー作の「リュイ・ブラース」で、
スペイン王妃を演じたサラ・ベルナール。
オデオン劇場で見せた名演技で彼女は名を轟かせます。

この劇場と切っても切れない縁にあるのが、偉大な舞台女優サラ・ベルナール。彼女はオデオン劇場と契約を結び数々の名演技を披露。1872年にヴクトル・ユゴー作の「リュイ・ブラ-ス」で、スペイン王妃の役を見事にこなし、不動の名声を得ます。サラ・ベルナールはベル・エポックを象徴する女優として今でも語られています。

ネオクラシックの均整が取れた神殿のようなオデオン劇場は、1947年に歴史的建造物となり、多くの名作が上演されています。パリは劇が盛んなので、この界隈も夜はかなりの賑わいを見せます。