2020年3月30日

コロナウイルス 連結、団結の精神があるフランス国民

外出禁止令によって夫婦間の暴力が増えていて、その対策として、電話相談と薬局に援助を求めることを政府が助言しています。必要とあれば、そこから適切な機関に連絡がいくのです。医薬分業のフランスには薬局が多いので、いざという時の場合に大いに役立つでしょう。パリの場合には街角を曲がるたびに薬局があるほど。

医学生や引退した医者も、病院の人手不足を補うために自ら出向くし、今までは収穫の際に外国人を季節労働者として雇っていたのに、それが不可能になり農家が困っていると知った若者たちは、ヴォランティアで活躍。買い物に出れない年老いた人に、必要な品を代理で買って届ける人も多い。

誰もいないバス停。
通常は広告に占領されている側面に、
団結を呼びかける言葉が書かれています。

メルシ―
看護する人たちに
心配りをしましょう!
彼らを支持しましょう。

政府が発布した外出禁止令もかなり多くの人が守っているようで、10日以上経っているのに人の姿を見かけない。どこで買ったのか、ほとんどの人がマスクをかけている。当初から「戦争」と衝撃的言葉を何度も繰り返し、団結、連帯を訴えているマクロン大統領への信頼は急に高まり、現在約43パーセントの人が評価。フィリップ首相の支持率も高まっています。

テレビニュースもそれのみに集中して報道しているだけでなく、視聴者からの質問も受けつけ、毎日専門家が答えています。庶民の素朴な心配にも注意を払ってくれるのは心強い。個人主義者が多いと言われているフランス人ですが、危機に陥ったときに国、あるいは国民全体にとって何をすべきか敏速に理解し、一致団結し、行動に移る国民なのです。それは、フランス革命と第二次世界大戦のレジスタンスで世界に示していること。こうした歴史的事実を振り返ると、時にはフランス人のように、目的に向かって頑固であることの重要性が分かるような気がします。この精神で、危機からきっと脱出できるでしょう。ぜひそうあって欲しい。

日本の状況は毎日気になるので、ネットで見ていますが、危機感があまりないようで心配です。まるで別世界のように思えるほど。ある日突然、爆発的に感染者が増える気配が感じられ、その場合の医療設備が充分にあるかも大きな気がかり。アメリカとヨーロッパで起きている事実を深刻に受け止め、早くから対策にあたらないと、人口が多い国だけに混乱騒ぎが起きそう。

やはり、それぞれの人の判断、自覚、実行が大切だと思います。くれぐれも見えない敵にご注意を🍀