2015年10月20日

マリー・アントワネット 絵で辿る生涯 12

1775年5月16日朝、
マリー・アントワネットが華やかにヴェルサイユ宮殿に到着。
1775年5月16日、宮殿内の王室礼拝堂で王太子の結婚式が執り行われました。

快晴のその日、朝から着飾った貴族たちが続々と宮殿に集まり、礼拝堂へ、あるいは鏡の回廊へと華やぎを散りばめながら向かいます。礼拝堂で式に参列できる人は親族と高位の貴族など限られた人のみ。その他の人は長さ73メートルの鏡の回廊でひしめき合っていました。

午後1時、式部官に導かれた王太子とマリー・アントワネットが、手を取りながら礼拝堂へと向います。
王太子はゴールドの聖霊騎士団のユニフォーム姿。マリー・アントワネットは無数のダイヤモンドが煌くシルバーのドレス。

礼拝堂でスイス兵が太鼓を華々しく打ち鳴らし、国王ルイ15世到着を知らせ、パイプオルガンが鳴り響き、15歳の王太子と14歳のマリー・アントワネットが祭壇へと進みます。その手前に置かれた、ゴールドの房飾りがついた深紅のビロードのクッションにふたりがひざまずき、ランスの大司教、ド・ラ・ロッシュ=エモンが祝福の言葉を述べます。

マリー・アントワネットのサインに
インクのシミが残っている結婚証書



結婚指輪と13枚の金貨を大司教が清め、王太子がマリー・アントワネットの細い指に指輪を通し、パイプオルガンが高らかに演奏され、ふたりの頭上にシルバーの天蓋がかざされます。

その後結婚証書にサインをし、式が完了。その際に、マリー・アントワネットが書いた名前「マリー・アントワネット・ジョゼファ・ジャンヌ」に、インクのシミをつけてしまったのです。まるで後の不幸の前兆のような大きなシミでした。
ヴェルサイユ宮殿内の王室礼拝堂で
結婚式が執り行われました