ルイ15世広場での祝賀花火。 |
その日、国王も王太子も連日の祭典で疲れはて、パリまで行く元気がなく早めに休み、マリー・アントワネットは国王の王女アデラィッドと馬車に乗り、夜8時頃にパリへと向かいます。
当時のルイ15世広場。 中央に国王の騎馬像、 その先の左側の建物にクリヨン伯爵が住み、 現在はクリヨン・ホテル。 |
マリー・アントワネットたちが乗った馬車が、サンクルーとパリをつなぐセーヴル橋に差し掛かったころ、花火の音が聞こえました。胸をときめかせながら、もうじき広場に到着すると喜びに顔をほころばせたその瞬間、馬車が止められたのでした。
見ると人々が叫び声をあげながら逃げ回っている。大きな火事が発生したのだという。群集は右往左往し、転倒する人が続出。そうした人の上を飛び跳ねながら、誰もが安全な場所へと急ぐ。
急遽、ヴェルサイユに戻ったマリー・アントワネットは、この惨事で132人もの犠牲者が出たことを知り愕然とします。
結婚証明書のシミといい、この惨事といい、不吉な予告があった結婚式と祭典でした。