プティ・トリアノンに飾られている、 バラを手にする王妃の肖像画 |
1774年、王妃になったマリー・アントワネットに、国王がプティ・トリアノンをプレゼントしたときの言葉からも、それが分かります。
庭園にふさわしい シンプルなドレスと むぎわら帽子の王妃。 |
そう言いながらルイ16世は、531個ものダイヤモンドがついたプティ・トリアノンの鍵を王妃に手渡したのです。
マリー・アントワネットは確かに花が好きでした。
中でも華やかな姿を見せるバラを一番愛していました。
それは彼女に、楽しい子供時代を過ごした、シェーンブルン宮殿を思い起こさせる花だったのです。
広々とした庭園にはバラが咲き乱れていた、懐かしいシェーンブルン。プティ・トリアノンを手にしたとき、彼女はそれをシェーンブルンにしたかったのです。
マリー・アントワネットがこよなく愛していたのは、花弁が豊かなオールドローズ。
ベルギー出身の画家ピエール=ジョゼフ・ルデゥテの植物に関する知識と、緻密なデッサンと絵に
マリー・アントワネットが 評価していた植物学者であり 画家のルデゥテ |
バラは常に王妃の側にいました。庭園に咲き乱れ、プティ・トリアノンの壁布にも、椅子にもベッドカバーにも華やかなバラが描かれていました。
ヴィジェ=ルブランの筆によるマリー・アントワネットの肖像画には、一輪のバラを手にする姿が描かれているのが数枚あります。そのバラもルデゥテが画集に残しています。
花の女王のバラは、フランス王妃にふさわしい気高い花です。