シンプルなシュミーズドレスと麦わら帽子。 田園にふさわしい服装を、 貴族夫人たちも競って模倣しました。 |
リシャール・ミック |
ノルマンディー地方にいるような田園を、というのが彼女の希望で、それを実現したのはリシャール・ミック。庭園内の「愛の神殿」や「王妃の劇場」も手がけた、マリー・アントワネットお気に入りの建築家です。
彼は革命が起きた際に、王妃を脱出させようとしたと嫌疑がかけられ、裁判で死刑の判決を受け、王妃処刑から10ヶ月後、65歳で世を去ります。
マルバラ塔 |
その他、牧場も作り、そこで牛や山羊、
にわとりも飼っていました。野菜畑もあり、そこで育つ野菜や果物を食べていたし、牛乳も村落で作る自家製を好んでいました。
王妃の家 |
ここに植えられた木は48000本。
このようにして、緑豊かなノルマンディー地方の田園が、ヴェルサイユの敷地内に実現したのです。
農婦の服装も楽しんでいた王妃。 |
そうした彼女は生き生きしていました。王妃のお供を許されていたのは、限られた貴族夫人のみ。その誰もがシンプルな服で、田園風景に溶け込んでいました。王妃の子供たちも自由に飛び回り、にわとりが生む卵を驚喜しながら集めていました。
この村落はマリー・アントワネットにとって、ユートピアだったのです。
時にはこの村落で祭典も行いました。 |