2015年12月16日

マリー・アントワネット 絵で辿る生涯 37


第二王子ルイ・シャルルが誕生した翌年、王妃は二番目の王女に恵まれます。

 1786年7月9日、マリー・ソフィー・ベアトリスと命名された王女は両親の愛を受けて育ちます。

ゆりかごで眠る王女
「首飾り事件」で国民の不評と怒りをかっていただけに、マリー・アントワネットの喜びは大きかったようです。

けれども、王女は生まれたときから体が弱く、結核におかされ、1787年6月19日、一歳のバースデーを迎えることなく、小さな命を終えてしまいます。

王妃として国に4人の子供を授けたことを、国民にアピールするために、子供たちと一緒の姿を画家ヴィジェ=ルブランに依頼したマリー・アントワネットでした。
ジュエリーもつけず、ひたすら良き母の姿を描いてもらっていたその最中に、ソフィー王女を失ったマリー・アントワネットの嘆きは大きかった。

本来は、ゆりかごの中に眠っている王女を、右端の王太子が起こさないようにと、指を口に当てて音を立てないようにと示しているはずの絵。けれども王女の死によって、誰もいない空っぽのゆりかごにしたのです。
右はゆりかごを指さしている王太子、
王妃の膝に抱かれているのが第二王子ルイ・シャルル、
左が第一王女マリー・テレーズ。1787年。