2015年12月10日

マリー・アントワネット 絵で辿る生涯 34

プティ・トリアノンは
マリー・アントワネットのユートピア。
プティ・トリアノンでは、村落と同じように王妃の身分を捨て、
ひとりの女性として振舞っていたマリー・アントワネットでした。
庭園から見たプティ・トリアノン。
礼儀はすべてはぶかれ、音楽やゲームに興じたり、自由を満喫していたのです。

彼女の繊細な感性を生かした、フェミニンで気品ある家具は、後年、ルイ16世様式と呼ばれ、現在でもフランス人がもっとも好きな様式。その誕生の地はプティ・トリアノンだったのです。

マリー・アントワネットの美意識から生まれたからには、本来は「マリー・アントワネット様式」と呼ぶのがふさわしいのに、何故か「ルイ16世様式」なのです。今でもホテルや邸宅でも人気があるほど、優美な様式です。

プティ・トリアノンの窓から見える「愛の神殿」の他に、彼女が頻繫に足を運んでいたのは「見晴台」。
8角形のネオクラシックの「見晴台」は、床に大理石をモザイクのようにはり、建物の足元にはスフィンクスの像が置かれ、音楽サロンとして使用していました。

人工的に作った小高い岩の上に立つ「見晴台」の左には、同じように人工的に作った岩があり、そこから滝が流れ泉に落ちる情緒ある光景を、王妃は遠方から眺めるのも好きでした。
イルミネーションでひときわの美しさを見せる「見晴台」