昨年10月から改造が行われていたパリ市庁舎前広場。地球温暖化から市民を守るために、パリ市が決定した「都市の森」が実現し、大変貌。今までの石の広い広場に、約50本もの大木が植えられ、その足元には種々様々な背が低い木やシダ、ツタなどが植えられている。その数は2万を超える。散歩道もあるし、雑木林に入ったかと思える手つかずの自然もある。
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パリ市庁舎前広場に生まれた「都市の森」 |
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パリの真っ只中にいることを忘れそうな、 緑豊かな広場。済んだ空気で体も心も大喜び。 |
6~10mの高さの木々は、ドイツやオランダで育てられた中から選ばれ、都会の空気に耐えられるか何度か移植しながら観察。20年以上の樹齢のもある。気候の変動に耐えられる木であることが重要とされ、カエデ、エノキ、オークなどが多い。
こうして誕生したパリ市庁舎前広場の「都市の森」。豊かな木々の向こうに見える市庁舎は、離れた場所からだと、まるで、森の中にあるシャトーのよう。市庁舎はルネサンス様式の建物なので、この文化が発達したロワール河畔の名城かと思えるほど情緒がある。
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まるでロワール河畔のシャトー。 市庁舎前広場では、毎年、音楽祭などイヴェントがあるので、 その実現を妨げないスペースは確保している。 |
同じ計画はコンコルド広場、ルーブル美術館の北側でも実現される。小さい空き地にも背が低い植物が植えられ、加速度的に緑が増えているパリ。予定では2030年には「都市の森」のおかげで気温が4度も下がるとのこと。
車追い出し作戦も続いているし、市民生活を優先する姿勢がはっきり伝わる、素晴らしい計画。